白石 蔵ノ介 | ナノ




よそはよそ、うちはうち


私は今、絶賛お説教中です。
流行りのツイッターに"お父さん説教中なう。話通じなさすぎてマジでうざい"って書き込みしそうなくらい。
つーかもう書き込んで晒してやりた…駄目だ、そんなことしたら私の何かが確実に減る。

「ちょぉ、お父さんの話ちゃんと聞いとる?」
「聞いてますけど…」
「せやからな、親子なんやから中三だからとか年頃やからとか関係あらへんねんで?」

一つ大事なことを言い忘れていた。
お父さん"が"私"を"説教中、ではなくて、私"が"お父さん"を"説教中なう。

この際誰でも良いよ。
ヘタレ謙也さんでもいい。
いや、ベストは光さんだ。とにかくこのエクスタ父さんをなんとかしてはくれないだろうか。

「だからね、何回も言うけどもうねチュウするのは恥ずかしいのやめて欲しいの。」
「なんでなん!?なんでチュウさせてくれんの!?今まではさせてくれたやんか!」
「私も中3になったしさすがにお父さんとチュウするのは…」
「中3になったからなんやっちゅーねん!なんも変わらんやろ!」
「変わるよ!私だって大人になったんだよ!訳も分からずチユッチュッしてた幼女じゃないんだ!!!」
「別にボインのお姉ちゃんになったかてチユッチュッしてくれてもええやんか!ええやんか!!大事だから二回言いました!!!!」
「よくな「あ、まだボインでもないしなる保証もあらへんけどな。」
「いらんとこ付け足すなクソオヤジがぁぁぁぁぁ!!」
余りにも話の通じないお父さんに全力の肩パンチをお見舞いする。
ふぎゃぁ!!と何とも情けない声を上げて椅子から転げ落ちたお父さん。

「イッタ!ほんまに痛いんやけど!」
「知るかっ!!私の心の方が何万倍も痛いし!!」
「いーや、チュウしてもらえへんお父さんの方が痛っふぎゃぁ!!」

こんのクソオヤジがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
なんだって良い年して父親とチュウしなきゃなんないのよ!?
恥ずかしい以外の何者でもないわ。
つーか、キモいわ純粋に。
「親に二回も肩パンしよってからに…!」
「何が原因が自分の胸に聞いてご覧なさいよ。」
「……いつからそないな目ぇするようになったん?」
「話を戻すけど、チュウ禁止です。チュウするのはお母さんだけにしてください。」
「そりゃお母さんとはするけどな、それとは別やんか。ちゅーか、お母さんとしてもええならええやんか。家族なんやし。」
「だから違うって言ってんでしょ?夫婦は好きなだけチュッチュしなよ。私は娘だからしなくていいの。」
「嫌やぁぁぁぁぁ!愛情表現やん!」
「他の方法でお願いします。」
「他ってなん?」
「お小遣いアップとか。」
「そんな味気ないっ…」
「一番直接的だと思います。」
「お父さん、周りの同年代に比べてお洒落にも気いつことるしまだまだイケてると思うねんけど。」
「いきなり何を言い出すのお父さん。」
「そんなお父さんとチュウ出来て嬉しないん?」
「別に嬉しくねぇから今話してんだろうがあぁん?」
「そろそろほんまに泣きそうやわ…。お父さん口臭いん?加齢臭はそないにしない思うんやけど…。」
「何回も言うけど、そういう理由じゃなくってそろそろ恥ずかしかったりするの!」
「じゃあお家の中だけやったらええん?」
「場所うんぬんより、チュウ自体が恥ずかしいの!」
「チュウなんて海外じゃ挨拶がわりやんか。気軽やんか。」
「じゃぁ、挨拶だから光さんや謙也さんともチュウしていいんだね。」
「ええ訳あるか阿呆!!」

わざとらしくテーブルに伏せて、おいおい泣き真似をしだしたお父さんにため息しかでない。
どうして思春期というものを理解してくれないのか。
「お父さんが私くらいの時お祖母ちゃんとか友香里ちゃんとチュウしてた?」
「する訳ないやろ。気持ち悪い。」
「今の自分を全否定したことをお分かりいただけますでしょうか?」
「それとこれとは別やんか!!」

ガバッと起き上がったお父さんはガチで泣いていた。オマケに鼻水まで垂れていらっしゃる…

「どこが別な訳!?」
「そもそも今お祖母ちゃん達の事は関係ないやろ!謙也んとこの娘も千歳のとこの娘かてチュウしてるの、こないだ見たやろ!?」
「またそうゆう事言うんだから、お父さんは!謙也さんとこまも千歳さんとこもまだ3歳と5歳じゃない!15歳の私と一緒にしないでよ!」
「一緒にするもなにも、そない変わらんやないか。」
くっそ、私達の年齢を引き算してみやがれこんちきしょうがっ!
鼻水も涙も汚ったない。
話はどこまでいっても平行線とゆうか、埒があかないし……

「わかった。もうわかった。話してもしょうがないね、こうしよう。」
「なん?」
「チュウしたいなら、するがいいよ。その代わり、」
「やっとわかってくれたか?早速チューふぎゃぁ!!!」「チューするたびに肩パンをお見舞いするから。」

椅子から転げ落ちて、床でのたうち回るお父さん。
自業自得である。

「そないな制度聞いたことあらへんぞ!どこの家に愛情表現に肩パンで返す制度があるんや!」
「たった今、白石家で制定されました。」




(そないならお父さんにだって考えがあるでっ!)
(何よ。)
(肩パンくらいなんぼのもんや!)
(本当にアホだ…どうしようもない……)

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テニプリ密着24時V
素敵な企画に参加させていただきありがとうございました。


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