企画リクエスト | ナノ





















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遊びにも考えてなかった。
ただ、一晩過ごす男が見つかれば上出来位の感覚で合コンに顔を出しただけ。
私を誘った友人もそれはわかっているので、静かに自分の狙ってる男には手を出すなとサインを送ってくる。

合コンが始まって30分、特別いい男も居ないようなので金髪ロン毛の男にお熱な友人に一声かけて帰ろうとした時

仕事だったと遅れて現れた貴方に一目で欲情した。

眼鏡の奥の切れ長の瞳に喉が鳴った。

厚めの色っぽい唇に声が漏れた。

きっちりしたスーツから覗く首元に体が熱を持った。

ゆるく動く指に濡れた。

どうしてとかじゃなくてただ本能だったとしか言えない。

「ぁぁっ…そこいやぁはっん!!」
「いや、な訳ないじゃないですか。こんなに誘ってるのはあなたなのに。それとも本当にやめてほしいんですか?」
「もっと、もっと欲しいのぉ!」
「そうやって素直に鳴けばいいんですよ、杏里」
「じゃあ、中にちょうだぃんあっ…!」
「それはダメです。」

音を立てるベッドに交じる自分の声。
本当は喘ぐ意外に余裕なんてない。
でも、永四郎はいつだって余裕を含んで私を攻め立てる。
これが何度目かなんて覚えてもいない。
あの日あの夜私たちは関係を持った。
恋人なんて甘い関係じゃなく、ただ欲望を満たすために体を重ねるだけの関係。
それ以上は望まない。はず。

「ここ、聞こえますか?いつもいつも厭らしい音を立てて、節操がないですね。」
「そうな、あぁん、ふっ、だから、もっと欲しいの」
「杏里のような人のことをなんていうかしってますか?」
「淫乱。んっ、その私を飽きもせず犯す永四郎だって同じじゃない。」
「それは失礼。」

クスリと笑う口元にまた体が熱を持って中を掻き回す永四郎の指を締め付けるのがわかった。
その唇に口づけたい舐めとってしまいたい噛り付いてしまいたい、そんな事言ったら永四郎はなんていうかしら?
素直だと言ってくれるのかしら?

「なに余計なこと考えているんですか。」

私の考えが分かったのか、それともよそ見されたことが気に食わなかったのか、集中しろと言わんばかりにだらしなく声を漏らし続けていた唇を塞がれる。
文字通り息つく暇なんてないほどに口内を犯す永四郎のキスが好き。
こぼれた唾液が肌を伝うけど、混ざり合って汗なのか唾液なのかわからない。
こんな風に永四郎と溶け合えてしまえばいいのに。

「もう、くるしっ、ハァん」
「ハァ、好きなくせに。」
「好きだけど、こっち入れてくれる方がもっと好きなんだけど」
「っ…!!何回目ですか、くっ…」
「はぁね。」

されてばかりだと癪なので、お返しと言わんばかりに永四郎を咥える。
いつもご立派ですこと。
口の中に収まりきらないそれを舐めあげると短く息を漏らす。

一人の男にこんなにも長い期間関係を続けたことはない。
それくらい永四郎との体の相性は良い。
付き合いたいとか結婚したいとは思わないけど、永四郎の遺伝子は欲しい。
子供が欲しいかって言われたら欲しくはないけど、私の中に永四郎を残して欲しい。
それだけでいいって言ってるのに、必ず避妊する永四郎。
警戒してるのかしら?
私みたいな女に一生付きまとわれるんじゃないかって。
むしろ中にくれたら満足して、永四郎をの前から消えようと思ってるくらいなのに。

「っあ…もういいですよ。欲しいんでしょう?」
「ああぁあっ…そこぉっそんなにしたら!」
「イっちゃいますね。」
「ふぁあぁっ……!!」
「足りないでしょう?」
「あぁっ…!!!」

いき成り顔を持ち上げたかと思うと、間髪を入れずにイイところを攻められてあっけなく達してしまった所に、さっきまで味わっていたソレを容赦なく突き立てられる。
何度受け入れても慣れない質量。
毎度殺されるんじゃないかと思う。

「杏里は何が欲しいんですか?」
「ん、も、動いて奥に頂戴、はぁん」
「本当に、それであなたは…」
「我慢できないからぁ、早くっ…!」
「本当に、淫乱ですね。」

スプリングの軋む音に自分の声が煩い。
会ったときはしっかりセットされてるのに、だんだんと乱れる永四郎の髪に優越感を覚えるの。
乱れる息に欲に濡れる瞳にも犯されて、さらに締め付けてしまう。
突き上げると同時に他を攻めるのも忘れないなんて、どこまで私を堕とせば気が済むのだろう、この男は。

永四郎から与えられる快感から抜け出す術なんて当の昔に忘れてしまったわ。
いつまで続くかなんてわからない。
どちらかが飽きるまでのなんの保証もない関係。
ただ、欲が満たされればいいだけの関係。のはず。

<majic square>

(それはまるで魔法使いのテリトリーから抜け出せないお姫様、そんな綺麗な関係じゃない。)
(ただ俺だけを求めればいいんですよ。)

そしてまた空っぽの私。







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