甘いチョコと彼女の微笑み  


今日は2/14。
世の中の女子達は盛り上がる日…
なはずなのだが…

「綺海ちゃーん。元気ないよ?大丈夫?」
「ヘー「きそうじゃないね。」遮らないでよー。」
「高尾君、また呼ばれてるの?」
「うん…」

「そんな乙女全開な綺海ちゃんは持ってきたのかなー?」
「ぐっ…」

私の手元にあるのはオレンジ色の袋に入った包み。

「ゆうちゃんは緑間に…」
「渡したよ!もちろん。ぬかりありません。」
「ぐっ…」
「高尾君と朝一緒に来たんでしょ?なんでその時に渡さないんだよー。」
「そこ突っ込んじゃダメなやつ…」
「早く渡しちゃいなよーもーじれったいなー。」
「そんな簡単に…!」
「私渡したもん。」
「むぐぐぐ…」

そんなこんなで時間は過ぎ
こちらは昼休みの男性陣。

「真ちゃん…!」
「なんだ。」
「真ちゃんってゆうちゃんから…」
「早く言え。」
「ゆうちゃんからチョ…!!!!その赤の包み…!!!」
「あぁ、これか?朝学校に来るときにゆうからもらったのだよ。」
「やっぱり…!!!」
「やらんぞ。」
「いらないし!」
「なんだ、如月から貰ってないのか?」
「真ちゃん…それ聞いちゃダメ…」
「いつもの自信はどうした?」
「それはそれ、これはこれなのだよ…」
「高尾…!」
「真ちゃん…俺もうだめかも…」
「ハァ…」

『高尾くーん!』

「呼ばれているぞ。」
「真ちゃん代わりに…」
「嫌なのだよ…」
「真ちゃんのいけずー。」

彼のことを呼ぶ声の元に目を向けると
女子2,3人が相棒の周りを囲んでいる。
彼らは話すと…どこかへ消えてしまった


「ふぅ…人事を尽くさないからこうなるのだよ…」

哀れな相棒のために一肌脱ごうと動こうとしている
俺も俺だななんて…


「陰気くさいのだよ…高尾。」
「だって…!だってだよ?真ちゃん!」
「だまるのだよ。」
「はぁ…」

放課後になり、相変わらずに高尾のテンションは
落ち気味のようだ。

「高尾…部室にテーピングをとってきてくれないか?」
「はっ?真ちゃん何?傷心の俺をこき使うの?」
「うるさい、早く行くのだよ。」
「真ちゃん人使い荒いー!」

ぎゃんぎゃんとうるさい1年2人を遠目から見る先輩陣。

「何?あいつら騒いでるの?轢いていいか?」
「宮地落ちつけ。」

『高尾、部室にあるテーピングの換え持ってきてー!』
「涼先輩。」
「涼が呼んでいる早く行け。」
「なんなの?俺もしかして今日厄日?」
「早く行くのだよ…」


真ちゃんだけならず、先輩マネージャーにも頼みごとをされてしまい
おとなしく部室で俺はテーピングを探している。

「くそっ…真ちゃん覚えとけよ…先輩使うだなんて卑怯だぞ。」

イライラもあってかなかなか見つからない。

「もー、なんでないのー!?」
「和君、ここだよ。備品置場は。」
「………!?」
「え?探してるのってテーピングじゃないの?」
「あってる。」

テーピングを2人同時に触ってしまい、ふいに手が触れる。
意識してしまうと恥ずかしさがこみあげてきた。

2人して黙りこんでしまい…沈黙が続く。

「綺海…」
「和君、今日練習終わったら時間ある?」
「あっ?帰り?あるある。」
「一緒に…帰っていいかな?」
「あれ、ゆうちゃんは?」
「ゆうちゃんは…緑間君と…」

何言っちゃってんの?俺?

「そっ、そうだよな。」
「うん。」
「だめ…かな…?」



甘いチョコと彼女の微笑み
(厄日だと思ってたけど彼女の笑顔が見れただけでこんなに幸せだなんて)

「高尾…ウザいのだよ。」
「昨日綺海がねー!もー可愛くて可愛くて。」
「分かったから落ちつくのだよ。」



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