「こんちわっすー。」
「あら和君じゃない、ちょっと待っててねー。」

雪のママさんは階段の下まで行き、彼女がいる2階の部屋へ
階段を上っていく。

「雪、和君来たわよ。」
『はーい!!リビングで待ってて貰って。』
「早く準備しなさいよ、ほら。」

2階の方が少し騒がしくなったかと思ったら
雪のママさんが降りてきた。

「和君ごめんなさいねー。まだ準備できてないみたいで。リビングで
待っててもらえるかしら…。」
「じゃぁ、お言葉に甘えて…」

リビングに入ると暖房が入っており、俺はいつもの定位置に座る。
俺がたいていリビングに上がるように言われる時は彼女は20分近く
降りてこない。だからこうやって待ち合わせ時間よりも少し早目に
彼女の家に来るのが俺の習慣になっている。

「和君ごめんなさいねー、あったかいお茶でよかったかしら。」
「あっ…ありがとうございます。」
「あの子ったら昨日の夜からずっと服と鏡とにらめっこして
ファッションショーしてたのよー。それ『お母さん!!!!』あら
やっと来たみたいね。」

雪のママさんと世間話をしていたら、

『ごめん、おまたせ。』

やっと準備のできただろう彼女が大慌てでリビングに降りてきた。
相当急いでいたのか、若干服や髪が乱れている。


「そんな暴れるなって、せっかくセットした髪が崩れてるぜ。」
『―――っ!!』
「あらあら、おてんばさんなんだから。」
『和君早く行こっ』
「はいはい。」

「2人とも行ってらっしゃい。」
「今日は夕飯食べてくるんでママさんはパパさんと2人で仲良くーwww」
「あら、和君気が利くわね。でも、あまり遅くならないようにするのよ?」
『はーい。』

雪の家を出て、向かうのは2駅離れた場所にあるショッピングモール。あいつの買い物に付き合って、夕飯食って、イルミネーションを見て帰るってルートだ。隣を歩く彼女を眺めながら先程ママさんんから聞いた話を思い出す。

「可愛いぜ、すっごく。」
『んぐっ…!?』
「昨日夜まで一生懸命選んでくれてたんだろー。」
『お母さん余計なことを…』
「おっ、ついたぜ。」

久々なオフってこともあり、話は弾み…気がついたらいつの間にか目的地である
ショッピングモールについていた。

「で、何を買いに来たわけ?」
『んー。服かなぁー。』
「はいはい、時間は限られてるしちゃっちゃとすませちまおうぜ。」
『うん。』

服、雑貨…ゲーセンでプリクラ。
時期も時期であってそこらじゅうに人がいっぱいでカップルで溢れている。
ふと寄ったアクセサリショップで彼女が立ち止まり1つの物を眺めたまま動かない。

「雪?」
『うーん。』
「それ…欲しいの?」
『へ…?』
「さっきからずっと眺めたままだったぜ。」
『ちっ…違うし。』
「ふーん。」
『ほら、次のお店行こ。ね。』
「お前がそう言うならいいけど。」
『ほら、行くよー』
「はいはい。」

買い物をすませ、日も沈んだことだし夕飯前に先にイルミネーションが
見たいとごねる彼女に連れられ中央広場へ向かう。
建物から外に出るとそこは中央広場。中心には大きなモミの木が植えてあり
イルミネーションが手がけてある。
その周りには家族、友人同士、カップル…関係は違えど人の輪ができている。

『おー!すごいすごい!』
「だなっ。」

2人でイルミネーションを見ていると、顔に冷たいものを感じた。

『あーっ、雪だ!和君見て見て!』
「おーホワイトクリスマスだな。」

あれ、このタイミングで渡すのがちょうどいいっか。

「雪。」
『ん?和君どうしたの?』
「手。」
『手?』
「そー手。」

彼女は不思議そうな顔をしている。

「Merry. Christmas!」
『これって…』

彼女の手のひらにさっきの店で買ったペンダント。
ずーっとコイツの前で立ち止まったままで、物欲しそうな目で見ていたものだから
さっき彼女がトイレに行ってる間に購入していたのだ。

『いつ買ったの?』
「なーいしょ。」
『なんでこれが欲しいてってわかったの?』
「ホークアイ様にわかんないことはないの。」
『むっ…』
「他に言うことは?」

『あっ…ありがとう…』
「どーいたしまして。」

うつむいたままの彼女の顔は真っ赤だ。
「あぁー写メで撮りてぇー」…内心そう思っていたが
彼女が怒るのは目に見えているのでやめておこう。


きらきらと輝くイルミネーションと彼女
(そんな君から目が離せない。)

「飯食いに行こうぜー」
『ピザ!パスタ!ドリア!』
「イタリアン好きだねー。」






krk 高尾夢でした(`・ω・´)
『ピザ!パスタ!ドリア!』
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海と星と空と陸
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