Clap



※テーマ「夢主がお酒を飲んだようです」

「ふふ、夜更かししちゃったわねぇ」
「ふらふら歩くと危ないぞ」
リューナが、「居酒屋とやらに行きたい」と言った。
彼女の望みを叶えない訳にはいかない遊星は、自分は飲まないことを堅く誓って個室のある居酒屋を予約した。
アルコールの種類も豊富(と部下が言っていた)で、評判の良いところを。
きっと飲むと言い出すだろうし、アルコールに浮かされたリューナを他の男に見せる訳にはいかないから。
案の定ドリンクメニューに目を輝かせたリューナがカクテルを頼み、酔って顔を真っ赤にさせた訳だが、機嫌はすこぶるよさそうだった。
食事にも満足した彼女と店を出た遊星は一路家を目指す。
「んふ、大丈夫よ、貴方がいるから」
「…全く」
ぎゅ、と痛くないように強く握った手を離すことはしない。
時間が時間であるため、遊星は懸命にリューナを守ろうと周囲を警戒する。
日に日に愛しくなる気持ちが強くなっていて、それが彼女自身に伝わっているかは分からないが、後悔するよりは断然マシである。
色んな意味で奔放なリューナが愛らしく笑っているのが何より嬉しいから。
「ねえ、ゆうせぇ」
「…そうだな、俺がついている」
「ふふ、大好き」
ふにゃりと笑う破壊力は底知れない。
ああ、とだけ答えた遊星は、家に着くとリューナをベッドに押し倒した。

「もっと、夜更かしするか?」
「遊星…」
目が、伏せられる。
″この先″を示唆するように抱き締めて唇をちゅ、と吸った遊星がリューナの反応を見ようと目を開ける。
アルコールが香る唇を舐めて様子を見てみると、彼女の瞳は閉じられたままだった。
「…」
よくよく、観察する。
すると彼女から力が抜けて、ベッドに身体を投げ出す。
これはもしやと思っていると、やはり彼女の口からは寝息が聞こえてきた。
規則正しい呼吸音は、もう今日は起きないことを暗に教える。
「………」
こうなったら、もう諦めるしかない。
「…俺も、大好きだ」
靴と靴下を脱がせ布団を被した遊星は、額におやすみのキスをして風呂へと向かった。


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割と残念夢主になった←
遊星に翻弄される夢主も好きてすが、遊星を翻弄する夢主も大好きです。








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