飛び込んで泡飛沫 | ナノ


炎纏ってた少年(長いから剣の少年と呼ぼう)について行ったら、何やら部屋にたどり着いた。部屋には数人の……たぶん祓魔塾生? の姿が。2人くらい桁違いに強そうな奴もいるけど。特にフード被った顔見えない奴。念無しだと負けるかも。

それに、姿は見えないけど、何人かの気配がする。姿を隠してるってことは、何か抜き打ちテストでもしていたのかもしれない。

……なんて考えてたら、剣の少年が鶏冠頭の少年に殴られていた。この短時間に何があった。ていうか殴った少年の髪型が鶏冠にしか見えない。ぷぷ。

と、突然天井からメフィストが降ってきた。んでもって剣の少年の上に着地した。狙った? 今狙ったよね?

それを合図に、次々とたぶん祓魔師なんだろうなぁ、という格好をした人が姿を現し始めた。状況から見て教師なのかも。
とりあえず、このタイミングで絶を解いた。いつまでも気付かれないとか虚し過ぎる。
そしたらメフィストに密かに視線を向けられたが、まだ私の存在にはメフィスト以外には気付かれていない。まあ、この状況で扉付近はあんまり見ないだろうしね。
お? フードの人にも気付かれた? 顔見えないから微妙に目が合わないけど。てかこいつ絶対訓練生じゃない!

「ドクターの先生方は生徒の手当てを」

突然現れた教師(やっぱりそうだった)に、剣の少年をはじめとした数人が驚きを示している。

「……まさか……」
「そう! なんと! この強化合宿はエクスワイア認定試験を兼ねたものだったのです!!」

自分でなんと! とか言っちゃうんだ……てかサプラーイズってノリ軽いな、おい。

ところで私はその試験受けてないんだけど。エクスワイア……候補生だっけ? 試験受けてないなら候補生になれないんじゃないのか。

「これから先生方の報告書を読んで、私が最終決定します」

……さいですか。理事長権限ですかそうですか。

「明日の発表を楽しみにしていてくださいネ☆」

おうおう楽しそうで何よりですな理事長様。そろそろ私に話を振ってくれ。教師陣には全員に気付かれてて視線が痛い。ていうか1人めっちゃ若い教師いるし。絶対生徒と年齢殆ど離れてないよ。教師ってか先生だな。

「そうそう! こんなタイミングですがもう1つサプラーイズ! 今日からもう1人生徒が増えますよ☆」
「なっ」
「ちょっと待てそんなに軽いノリでいいのか」

若い先生びっくりしてるよ! それ以外の教師陣さすがです。動揺はしてるけど声は出さない。生徒達は試験の方のインパクトが強すぎて、私まで気が回ってないだけだろう。妙に冷静な奴もいるけど。

「えー、三永刹香っていいます。一応、今日から祓魔塾と正十字学園に籍置くんで、よろしく」

よろしくするのはあくまでも表面上だけの話。私は私の世界に戻るためなら、いつだってこの世界の人間を手に掛けられるのだから。


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