飛び込んで泡飛沫 | ナノ


と、いうわけで旧男子寮に放り込まれましたセツカです。
なんか祓魔塾は今合宿中らしいから、行ってこい☆的なノリだった。それでいいのか祓魔塾。それでいいのか祓魔師。

ていうか、これ絶対可笑しいよな、暗いし。暗いし変な臭いするし。異臭? 何でだ。この建物、確かにボロいけどそういう系統の臭いじゃない。
……まあ、死体の山から漂う死臭よか大分マシか。あれだけはどうしても慣れない。

『邪魔すんな…!』

あら大きな声。よく響いてる。とりあえず、そっち行ってみるか。

「…………えっと?」

意味わからん。とりあえず何故人体から炎が発生するし。しかも青。いやどうでもいいけど。

異臭の原因はどうやら、青い炎を纏った少年(何やらサタンの息子という言葉が聞こえたが、どういう意味だ?)が対峙する、見た目の悪い悪魔(多分)が発生源のようだ。

と、突然その悪魔が私に向かってきた。ちょっと待てどういうことだ。
ちなみに私の位置は、炎纏った少年の5、6メートル後ろである。

ていうかね、アレ触りたくないわー。キモい。

と、いうわけで。

「『誇り高き我が妖精よ。汝、我の前に姿を現せ』瑠璃っ!」
「はーい、刹香様、どうしたんですかぁ?」

ぽんっ、と小さな音を立てて、私の左肩に出現したのは、瑠璃色のふわふわのロングヘアーと瞳をもった、ミニサイズの人間だった。ただ、人間とは違い、彼女の背には小さな羽がある。
そう、瑠璃は妖精なのだ。

詳しく言えば、私のオーラで姿を現した、意志を持ったもの。要するに、私の念能力だ。念能力についての説明は大変面倒臭いので割愛する。

《使役する私益(プライベート・エンジェル)》

私の発だ。ちなみに系統としては、具現化系寄りの特質系。妖精だがフェアリーでもエルフでもなくエンジェルだ。だって、瑠璃は本当に可愛いから。マジ天使。親バカなのは自覚済みです。
……まあ、私と瑠璃の関係は、どう足掻いても主従関係にしかならないんだけどね。

「瑠璃、防御」
「了解でーす」

瑠璃から半径5メートルの内側にいれば、攻撃どころか水1滴足りとも侵入出来ない、絶対防御だ。

結局、その悪魔は少年に剣でグサッとやられて消えた。剣使いねぇ。ていうか剣も炎纏ってた気が……。

てか、え?元々少年狙いだった? ……普通に考えればそうか。そういや私、瑠璃出すまで絶してたし、狙われるわけなかったわ。ちょっと最近、某変態奇術師(ピエロ)やら、某除念したらしい盗賊団団長やらに絡まれすぎて、いろいろ敏感になってるらしい。

「瑠璃、もういいよ」
「おーけーです。瑠璃は戻りますね」
「お疲れ様」

再び音を立てて、瑠璃は姿を消した。音っつっても、私の耳が良いだけで、常人には聞き取れないレベルだけど。

うん、まあとりあえず、少年の後をつければ、後は何とかなるだろう。メフィストの気配もするしね。


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