私は、エルカ=ゾルディックという名前を持っている。でも、ゾルディック家とは血は繋がっていないらしい。
それなのに私の髪は、キルア兄とお父さんと同じ銀色で、みんなは私のことを可愛がってくれる。
だから、血が繋がってなくても、全然悲しくない。
私は、気付いたらお庭にいたんだって。見付けてくれたのはイルミ兄。2番目に好きなお兄ちゃんだ。
それで、私がお庭にいたのは1歳になってない時で(なんか、成長の仕方でわかったんだって)、だから私はキルア兄の1つ下。今は10歳!あ、キルア兄は私の1番好きなお兄ちゃんなんだ。
だからね、私は0歳の時からゾルディックなの。みんなと同じ風に育ててもらったから、私は自信を持ってエルカ=ゾルディックって名前を持てるんだよ。
中途半端なゾルディックなんて、私はぜーったいに嫌!1人だけ毒の耐性がないとか堪えられないもん。
だから、お母さんとお父さんと、あとイルミ兄にはすっごい感謝してるんだ。
*
私は家族が大好き!キルア兄にイルミ兄はもちろん、お母さんにお父さん、おじいちゃんもミルキ兄もカルトも、みーんな大好き!
でも、やっぱり1番はキルア兄だから。だから、キルア兄が家出しちゃって、いなくなっちゃって、すっごく悲しい。大泣きするくらいには、悲しい。
私は、キルア兄と離れたくないの。だから、決めた!私も家を出る!
*
「だ、駄目よ、エルカちゃん!家を出るなんてとんでもないわっ!!」
家を出る、って言ったら、お母さんには案の定猛反対されちゃった。だけど、決めたんだ。何があっても、家を出るって。
それに、おじいちゃんとお父さん……あとイルミ兄の許可はもらったんだけどなぁ……。
「お母さん…お願い!!私ね、私の力が世の中でどれくらい通用するか、試してみたいの。天空闘技場も200階まで行けたし……ね?」
天空闘技場をクリアしたのは、ついこの間。そういえば、キルア兄が天空闘技場に行っちゃったときも悲しかったな…。
「でもエルカちゃん」
「今許してくれたら、ちゃんと連絡取るから!定期的に帰ってくるから!!お母さんのこと嫌いにならないからっ!!」
「……わ、わかったわ、エルカちゃん。ちゃんと帰ってくるのよ?」
「……!! ありがとう、お母さん!!大好き!」
最後のお願いが効いたみたいで、お母さんも許可してくれた。
早速、部屋に準備してあった荷物を取りに走る。荷物を掴んで、また走ろうと思ったら、今度は…
「あっ、ミルキ兄!ごめんね?」
ミルキ兄にぶつかっちゃった。
「お前、家出るってホント?」
「うん、ホント!! あ、私急いでるんだ、ちゃんとお菓子買って帰ってくるからね。行ってきます!」
ごめんね、ミルキ兄。私、早くキルア兄に会いたいの。
私はミルキ兄と別れて、家の外に飛び出した。
さよなら、私を育ててくれた家!きっと…ううん、絶対ちゃんと戻ってくるよ。
だって私、みんなが大好きなんだから!!
大好きな家族たち(あれ?カルトに会ってない!) (姉様、僕のこと忘れちゃったのかな…)
[
back ]