一旦落ち着いたジャンが再び荒れたのは、こんな会話が原因だった。
「で、怪我は大丈夫か?」
「消毒したし大丈夫。エレンって手当て上手いんだよ」
「……エレンが手当てしたのか」
「? ジャン、どうしたの?」
首を傾げて見上げて来るなまえは文句なしに可愛かったが、それとこれとは話が別である。ジャンは衝動のままに、なまえの怪我をした手を取った。そしてそのままガーゼを剥ぐと、傷口に舌を這わせた。
「……っ、ジャン!」
焦ったようになまえが声を上げる。構わずに傷口を舐めると、耐え兼ねたような声が漏れた。
「ん…っ、」
真っ赤になって震えるなまえに満足したジャンは、なまえを引っ張った。
「どこ行くの」
「医務室。ガーゼ貼り直さなきゃだろ」
当然のように言ったジャンに、医務室に着いた時まだ赤い頬のまま「ばーか」と呟いたなまえは可愛かったので、何も言わず強引に口づけた。ムードもへったくれも無かったが、初めて触れたなまえの唇は柔らかかった。
130824
遅くなって申し訳ありませんでしたっっ!
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