ハロウィン2013 | ナノ




  つい買い過ぎた南瓜の末路


※あれ本編夏じゃなかった? という突っ込み禁止



スーパーに出掛けると、飾り付けがすっかりハロウィンだった。
そういえば今日はハロウィンだなぁ、とぼんやりと思う。ここしばらくは買い物はネットで済ませていたので、すっかり忘れていた。ネット社会の弊害? である。

「ハロウィンかぁ……可愛いなぁ」

飾り付けが。何だか楽しくなってきて、久々に衝動買いというものをやらかした。





「いや、だからってこれは買い過ぎだろ。飽きるわ」

大量の南瓜を持ち帰った私は、ユミルに呆れたような台詞を吐かれた。
まったくもっておっしゃる通りだけど、少しは遠慮してくれたって良いじゃない。

「ちょっと重かったかな」
「えーっと……何でそんなに買ったの?」

クリスタにも微妙な顔をされた。クリスタ相手だと何故こんなにダメージを受けるのだろう。日頃の行いの差かな。

「ハロウィンがね、可愛かったの」
「はぁ? 頼むから理解できる言葉を喋ってくれ」
「えぇと……」

そういえばハロウィンって言っても伝わらないんでした。

ユミルに太鼓判押された説明下手な私が居候達に意味を理解させるまで、ゆうに半時間はかかった。二人の頭の回転が常人より速くて助かった。

話を理解した二人の反応は、これ。

「馬鹿か」
「良いなぁ、見てみたい!」

何だろう、この差。これが多分私の二人への態度に影響してると思うの。ねぇ、ユミル。

「……まあ良いや。そんな訳だから、今日の夕飯は南瓜メインで作るね」
「あ、私手伝うよ」
「ありがとう。頼んで良い?」
「うん、アイリと料理するの楽しいから」
「そう? 嬉しいなぁ」

という訳で、キッチンへ移動した。
何だかんだでついて来るユミルもちょこちょこ手伝ってくれたので、いつもより時間は掛かったけど案外短時間で終わったように思う。

作ったのは、定番の南瓜の煮付けから始まり、南瓜のコロッケ、南瓜サラダ、南瓜スープ等々……。調子に乗って南瓜の天ぷらまで作ってみた。
三人前ずつ作って尚、南瓜はまだ残っているので、明日は南瓜プリンとパンプキンパイでも作ろうかな。

ところで、途中でキッチンを抜けたユミルは、どうやら小さめの南瓜でジャック・オ・ランタンを作っていた模様。いつの間にか勝手に私のスマホが使われていた。作り方を調べたらしい。
最近ユミルのスマホスキルが上がってるけど、これってどうなんだろう……。
しかも日本製の南瓜なので緑色である。うーん……可愛いしレベル高いけど複雑な気持ちだ。

「いただきまーす」

……うん、ユミルが飽きるって言った気持ちが分かった。少しばかり口の中が甘ったるい。

「ごめんね、南瓜ばっかりで……」
「ううん、美味しいよ」
「まあ、たまにはこういうのも良いんじゃねぇか?」
「……ありがとう」

すかさず入ったフォローはちっとも嘘っぽくなくて、だから私は二人が大好きなのだ。


つい買い過ぎた南瓜の末路

(ちなみに。夜中に見た火の灯っていないジャック・オ・ランタンは凄く不気味でした)



131031


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