入団式から二ヶ月が経った。大量の脱落者を出した厳しい訓練も、今残っている人はそろそろ余裕も出て来た。最近は脱落者も少なくなったことだし。
人間関係も出来上がりつつあった。
あの……クリスタという子は、可憐な容姿と優しい性格で周囲に味方を増やしている。本当、そういうのムカつくけど。容姿良し、性格良し、なんてどっちも悪い私への当て付けにしか思えない。
何て僻んではみるけど、私も何も嫌われてるわけじゃない。はずだ。
最近よく一緒にいるのはコニー。言っちゃ悪いが頭の出来が悪いので、猫かぶった本性がバレ難そうだったので。
それとなく避けているのはアルミン。既に座学で頭一つ飛び出ているアルミンには何と無く本性が見破られていそうだ。別にバレたって何も無いが、過ごし難くなるのは勘弁して欲しい。
そして。私が嫌いなクリスタ。多分嫌ってるのは私だけだけど。彼女としょっちゅう行動を共にするユミルを、私はアルミン以上に避けている。
あの性格、嫌いじゃないけど。でもクリスタにだけは何か思い入れがあるかのように入れ込んでいて、それが、嫌。
今も向こうで二人が話している。ムカつくなぁ、本当。
こんなことに振り回される自分にも腹が立って、目を逸らした。
「ねぇ。次の対人格闘、私と組まない?」
隣で昼食を取っているコニーに話し掛ける。サシャと組んでることが多いコニーだけど、たまには良いだろう。身長近いし。
「別にいいけどよ……珍しいな、何か」
「……そうかしら」
「いつも気付いたらミーナあたりと組んでるだろ?」
「……そうね」
……たまに鋭くてひやひやするな。クリスタ達から気を逸らすために誘ったの、バレたかと思った。
それにしても、良く見ているな。と、そんなことを何と無く思った。
その日の対人格闘の後、珍しくコニー……というか男子と組んだことで散々ミーナにからかわれたが、コニーとはそんな関係でないことは明記しておこう。
130926~131026
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