Memo | ナノ


>>飛沫主が暗殺教室に転生したようです。

書きたいとこだけ書いてみる。


Mission.01:修学旅行


『あれ、三永さんはどの班なの?』
『あー……実は仕事と被って』
『へぇ、刹香の仕事ってことは殺し?』
『そ。なんの偶然かターゲットが修学旅行初日に京都入りするらしいんだよね。だから皆より少し早く現地入りかな』
『それじゃあ、三永さんは修学旅行に参加出来ないんですね……』
『ああ、いや。すぐ終わらせて合流予定だけど』
『ずいぶん余裕そうだね』
『じゃあ、取り敢えず僕等の班に入れておくね』
『おー了解』

(班決めの際のやり取りより抜粋)


ターゲットを見付けてさえしまえば、殺すのに手間はかからなかった。狙われているとは露も知らぬ男に後ろから近付いてナイフで心臓を一突き。返り血が制服に付かないように慎重にナイフを抜けば、刹香の痕跡は残らない。証拠を消す為の術は身につけてある。

任務完了の連絡を入れ、さっさとその場を後にする。正直、終わった仕事より修学旅行の方が大事で楽しみな刹香である。

班員である神崎から見せてもらった予定表を思い出しながら、今彼らがいるであろう場所へ向かっていた刹香は、ふと知った気配を感じて何十メートルか先の路傍に止まる車に目を遣った。

「……この班、業いなかったっけ」

なぜ茅野と神崎が高校生らしき男に拘束され、しかも寂れた建物に連れ込まれていくのか。喧嘩っ早い業がいながら二人が引き離されている現状に呆れながら、刹香はその建物に入っていった。

「……――台無しの伝道師って呼んでくれよ」

リーダー格の高校生の声。そして続いた茅野の小さな「……さいってー」という言葉に、刹香は慌てて茅野の前に飛び出した。

「うっわあ、年下の女の子に暴力? ダッサ」

そうして振るわれた拳を片手で止めて嘲笑う。刹香はE組の面子が割と気に入っている、だからこの高校生には怒りすら感じていた。

「なッ、なんだテメェ!」
「三永さんっ」
「カエデと有希子、大丈夫だよね? その場から1ミリも動かないで」
「お前もエリート校のお嬢ちゃんかよ。いいぜ、一緒に相手して――」
「黙れ」

ひょい、と気軽そうに刹香の脚が高校生の顎に入る。結構な勢いで吹っ飛ぶと同時、茅野と神崎の手を拘束していたガムテープが裂けた。

「えっ……これ!」
「ごめん二人とも、ナイフ回収しといて」
「わかった! 三永さんすごいね」

刹香が正確に投げた小型ナイフがガムテープを破ることに気付いた二人は、椅子に突き刺さっていたナイフを拾うと、あっという間に残り二人が気絶するのを見届けた。

(班員が来る前に何とかしてしまった)


「業がいながら何で拉致られてんの」
「うるさいな……後ろから殴られたんだよ」
「油断したんでしょ。馬鹿だねぇ」
「刹香は途中参加の癖によく言うよ」
「はいはい、負け犬の遠吠え」
「なんかすっげー殺意沸いて来た」
「殺れるもんならやってみればー?」

「カルマ君と三永さんって仲良いんだよね……?」
「そうは見えないけどな……」
(ニヤニヤしながら業をからかいに掛かる刹香)



ちなみに、班決めの会話は上から、茅野→刹香→業→刹香→奥田→刹香→業→渚→刹香、のつもり。
最後の二人は渚くんと杉野で、後ろを歩く刹香と業の様子を伺いながらヒソヒソしてるイメージで。

2015/02/17 00:14

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