Memo | ナノ


>>飛沫主 in PPでメリクリ

*act.23 クリスマス

「メリークリスマス!」
「……は?」
「冷てぇ……」
「あ、うん。メリクリ」

ドアを開けた途端、いつもの二割増しハイテンションの声に出迎えられ、刹香の声は反比例の如く地を這った。数秒遅れて発言の意味を理解したので、取り敢えず決まり文句は返しておく。
そのあまりにも冷めた対応に、縢は苦笑いした。

「こんな日くらい盛り上がらねぇ?」
「無理。ていうか縢がクリスマス知ってたことに驚いた」

クリスマスのバーゲンセールが残っているか否かくらいの時代である。刹香が前世や前々世で楽しんでいたクリスマスというイベントはしかし、幼い頃から施設で育った縢には馴染みのないもののはずだ。

「どっかで聞いたんだよ。プレゼントとか用意しようかとも思ったけど、俺刹香ちゃんが何貰って喜ぶかわかんなかったからさ」
「ああ……確かに。強いて言うなら縢の料理は食べたいけど、……ていうか私何欲しいのか自分でもわかんないや」
「刹香ちゃんらしいといえば刹香ちゃんらしいけどさ……」

取り敢えず今日は腕に縒りを掛けたご馳走だから! と背を押されて机の上を見た刹香は、目を丸くした。
ところ狭しと並べられた料理の乗った皿。真ん中に、真っ白いホールケーキ。
これを一人で? と縢を振り返ると、心なしか自慢げな顔をしていた。

「すっご……あれだね、クリスマス万歳」
「さすが刹香ちゃん、現金だね」



力尽きました。私の昼飯はファーストフードだというのに……!

2014/12/25 13:17

prev / back / next

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -