Memo | ナノ


>>PPキャラ成り代わり転生詰め合わせ

常守朱に成り代わった場合。第十六話、裁きの門より。(小説版寄り)

厚生省本部に、侵入者が八人。二手に分かれている。上に槙島聖護含む四人、そして下に――これは茜しか知らないことだが――チェ・グソンを含めた四人。
データ上存在しない地下深くに在るのは、シビュラシステムそのものだ。見た者は観察対象の価値を見出だされない限り、口封じに殺される。

原作の、縢秀星がそうだったのだ。
絶対に殺させない、死なせない。茜はぐっと拳を握る。

「行くぞ、監視官。槙島を追う」

敵の本命は「下」だ。解った上の狡噛の言葉に、茜は頷く。
敵の本命は「下」、でもそんなことはどうでも良い。だってどうせ――殺されるのだ、下へ向かった連中は。

「ええ。縢くんも」
「えっ、下はどうすんの? 俺行くよ」

驚いた様な縢の台詞。それはそうだ、茜の言葉は原作を知らない人が聞けば、本命を逃がすということなのだから。

「宜野座さんが『殉職者は出すな』って言っていたわ。四対二より四対三、でしょ。四対一なんて以っての外よ」
「でも敵の本命は下だろ」
「私たちの本命は『上』でしょう? ……槙島を捕らえれば、全て終わるの。今、逃がすわけには行かない!」

いっそ睨むように縢を見詰めて言う。
――お願い、死なせたくない。あなたを。

「これは、命令よ。私たちと一緒に来なさい」


こんな感じ。縢君を(私が)好きすぎるが余りの救済ルート。


船原ゆきに成り代わった場合。第十一話、聖者の晩餐より。(小説版寄り)

「離して――離せ! 離せったらクソ野郎ッ!」

あっという間の早業で両手を拘束され、友紀は必死にもがいた。狡噛が公安局に連絡を取った、ということは暫く踏ん張れば助けは来るのだ。殺されてなるものか。
性差と体格差で引っ張られるのはやむを得ない。けれどただで連れて行かせはしない。自由な足で思い切り男性の急所を目掛けて攻撃を仕掛ける。あっさりと避けられて舌打ち。

「血気盛んだね。なんだか意外だな」
「何が意外なのよ」
「君は思ったより冷静だ。状況はわかっているんだろう?」
「要するに私は、朱達が来るまで持ちこたえれば良いんでしょ。この犯罪者!」
「……成る程、君の考えに間違いは無い。普通なら、ね」

その言い方に、違和を覚えて友紀は硬直する。

――なんだ? 何がおかしい? 私は何か、読み違えている……?

その隙が命取りになった。ひょいと軽々抱え上げられ、友紀は目を剥いた。

(長くなるので中略)

「折角だ。君にも問うてみるとしよう。刑事としての判断と行動を」

目の前に落下してきた銃に唖然とする朱。そして槙島は、友紀の手首を通路の手摺りに繋ぎ止める。
さっきから抵抗していたせいで、手首が酷く痛い。擦り傷になってしまっている。

「今からこの女、船原友紀を殺してみせよう。君の目の前で」

ドミネーターは作動しない。

「止めたければ、そんな役に立たない鉄屑ではなく、今あげた銃を拾って使うといい。引き金を引けば弾は出る」
「で、できるわけ、ない……だって、あなたは……」

朱の声が震えていた。

この時、友紀は漸く気付いた。この男が、友紀を殺さずここまで連れてきた理由に。
怒りで目の前が赤く染まる。

「ふざけないで!!」

叫んだ友紀の背中を、槙島は太い剃刀で切り裂く。躊躇する朱を急かすように。

「――ッ!」

激痛に抵抗をやめ、目を閉じてしまう友紀。その髪を剃刀で梳き切りにされているのに動けない。朱と槙島の声すら、一時的に聞こえなくなった。

痛い痛い痛い。死んでしまいそうだ。嫌だ死にたくない。まだ生きていたい。

「さあ、殺す気で狙え。ドミネーターを捨てろ!」

――ああ、でも駄目だ。朱に人を殺させるのは、もっと嫌だ。

漸く戻ってきた聴覚に、友紀は目を開けた。そして、震える手で銃を持つ朱に叫ぶ。

「撃つな、朱!!!」

朱はおろか、槙島まで動きを止めた。命を握られた人質の言葉、それは槙島にとって意外なものでしかなかったのだ。

「駄目だよ朱。人を殺すのは絶対にいけない。あんたは刑事でしょ」
「友紀……で、でもそうしたら友紀が……」
「……ごめんね朱。辛い選択させてごめんね。辛い思いさせてごめんね」

ごめんね、ごめんね朱。
繰り返し謝る友紀に、朱が掠れた声で、まさか、と呟く。

「朱。大好きだよ、ありがとう」
「……ッ駄目!」
「私を殺せ、槙島聖護」


そんで興味を持った槙島さんに拉致されました、という。二本とも終わり適当ですみません。

2014/12/21 22:38

prev / back / next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -