Memo | ナノ


>>↓関連で六合塚と宜野座とおまけの縢

*act.10 彼がいない世界

縢が姿を消して、征陸が命を落とし、狡噛が去った。宜野座も犯罪係数の上昇でここ暫く休んでいて、潜在犯落ちもそろそろかな、と刹香は考えている。
執行官は5人から2人に減った。補充はまだ入っていない。

「ね、弥生チャン」

ほぼ壊滅状態の一係に回される仕事など殆どない。一応出勤しているだけで、ただ思考だけが働いていた。
ちょうど常守が席を外した部屋で、六合塚と二人。殆ど自棄になって、刹香は呟いた。

「私のこと抱いて、……って言ったらどうする?」
「いいわよ」
「……即答怖いんだけど」
「三永も、結構タイプだから」
「え」

思わず身を引く素振りをした刹香に、六合塚は無表情のまま「それで?」と問い掛けてきた。

「どうしたの?」
「……え?」
「あなたがそんなこと言うなんて、信じられない」
「……やっぱ、らしくない、かな」
「すごく」
「寂しいのかも」

咄嗟に吐き出した言葉は、途端に実感を伴って刹香を襲った。
今まで――それこそ全ての記憶をさらっても、刹香には特別親しい人間を失うという経験が少なかった。なにせ、人の死を執行官たる三永刹香より見ていたセツカ・グレイシアは、親しい人間というものが殆ど存在しなかったものだから。

だから刹香は、胸にぽっかり空いた穴――言うなれば寂寥感の埋め方を、よくは知らない。

「縢がいないから?」
「そう」
「人恋しいのね」
「たぶん」
「……あたしで良ければ、いつでも相手になるけど」

でもね、と続けた六合塚は、年下の女の子に優しい笑みを浮かべて見せた。

「あたしの勘だけど、三永は後悔するよ」
「……そうかな」
「だってまだ、縢のことが好きなんでしょう?」
「恋愛じゃあ、ないと思うけど」
「そうだとしても。あなたは縢が好きで、その好きな男に抱かれていたんでしょ」

うん、と頷く声が震えた。抱き寄せる力強い腕が酷く恋しい。最近上達してきたキスが欲しい。
心底、泣きたいと思った。涙なんて一滴も出やしないけれど。

「あなたが忘れたいっていうなら別だけど」

忘れたくないんでしょ、と六合塚は言って、椅子に座ったまま俯く刹香の肩を、そっと抱いた。



弥生ちゃん難しい!



*act.11 執行官
※とても中途半端知識

その日は、宜野座の執行官としての初めての出勤だった。とは言え部屋は変わらず、勝手知ったる、と言ったところだ。机の位置だって変わりはしない。変わったのは宜野座の立場と人数だけだ。

六合塚は休みで、部屋にいたのは常守と刹香の二人。数時間後、刹香が六合塚と交替する予定となっている。

「宜野座サン」
「……なんだ」

刹香は笑っていた。その笑みは嘲笑のそれでは無かったけれど、宜野座は落ち着かなかった。
何と無く、まだ違和感がある。自分と彼女の立場が同じ、それどころかだいぶ年下の彼女の方が、執行官としては先輩なのだ。

「よかった」

しかし、その違和感を忘れる程の衝撃が来た。

「宜野座サンとまた仕事が出来て、嬉しいよ」

普段から行動を共にしていた縢をはじめ、次々と同僚がいなくなってしまった。だから、こうしてどういう立場であれ、宜野座と再び見(まみ)えることが出来て嬉しいのだと。そう、真っ直ぐに向けられた瞳がそう言っていた。

「……そうか」
「うん。あと……」

ふと視線を天井に向けた刹香がぼそり。

「敬語使うのかったるかったんだよね」

いっそ殴ってやろうかと思った。



オチが酷い! そして弥生ちゃんと比べものにならない程ギノさん難しい。



*act.12 目薬
※会話文、短い

「あ。目にゴミ入った」
「だいじょぶ?」
「すごく痛い。目薬取って」
「え、どこにあんの?」
「胸ポケに入ってる」
「…………あのさあ刹香ちゃん」
「今さら気にしないでよ」
「刹香ちゃんは恥じらいを持とうぜ……」



体質的に涙が流れないなら目薬は必須だなと思って。くだらなくてすみません(笑)

2014/11/22 23:28

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