Memo | ナノ


>>犯罪係数の世界に飛沫主を転生させたら

※いろいろ適当、フィーリングで読んでください。縢ばっかり。


*act.1 護送車

護送車の中は真っ暗で、だから、刹香の黒髪はその闇によく馴染む。前世の金髪だったら浮くのかな、とふと考えて、今の自分の黒髪黒目を地味だと感じていた。
今考えると、前世の自分は金髪碧眼の美人さんだったよなあ、としみじみ思いながら。

「髪染めようかなあ」
「え? どうしたの急に」

ぼそりと呟いた刹香の言葉は、刹香以外で唯一今この護送車に乗っている縢に拾われた。

「金髪に染めて、そんで義眼にすんの。青。どう思う?」
「いや、好きにすれば? ま、俺は刹香ちゃんの顔には似合わないと思うけど」
「だよね」

生粋の日本人顔に、金髪碧眼は似合わない。元より染めるのは根元の染め直しが面倒なので好きではない。

「茶髪がせいぜいか」
「黒じゃ駄目なの?」
「暗闇に紛れるのが落ち着かなくて」
「俺らの仕事的には万々歳じゃん」
「まあね」

気配さえ消せれば暗闇に紛れようが紛れまいがあまり関係がないのだけれど。



似合わない、ってばっさり言う縢君が書きたかっただけ。



*act.2 仕事上がり
※会話文

「縢」
「…………何かな刹香ちゃん」
「なんか今すごい間があったけど」
「嫌な予感すんの」
「あ、そ。帰ったらスパーリング付き合って?」
「やだよ!」
「なんでよ」
「刹香ちゃん容赦ねぇじゃん! 怖い!」
「縢が本気でやれば全く問題ないけど」
「せっかくの休みに女の子と殴り合いとか……」
「ちなみに手加減したらあんたの股間に付いてるモンが使い物にならなくなるよ」
「だから怖いって!」


「……あー疲れた。刹香ちゃん満足?」
「まあ、一応はね」
「俺の肋骨折っといて一応はねぇよ……」
「縢だって私の肋骨折ったくせに」
「……これ、ギノさんとセンセーに怒られるんじゃ」
「あー……トレーニングルーム無断使用だしね。宜野座サンも一々怒ってちゃ禿げるっつうに」
「あっはは。さー、センセーんとこ行くかね」
「あ、私お腹空いてるから先食堂……」
「刹香ちゃん馬鹿だよね。誰が行かせるかよ」
「……えー」
「俺も腹減ってんの! でも怪我放置して悪化させたら怒られんだろ」
「……はーい(肋骨くらいほっとけば治るのに)」
「副音声聞こえてるから。治るのは早いに越したことないでしょ」



たびたびスパーリングに誘っては、毎回嫌な顔されるけど何だかんだ付き合ってくれる縢君。



*act.3 宿直

――あと10分か。

忙しそうな宜野座監視官を横目に、刹香は時計を見上げた。交代の時間まであと10分、宜野座はともかく縢も六合塚も暇そうである。
縢はぼけっとしながらたまにゼリービーンズを口にして、六合塚はのんびりと音楽雑誌をめくっている。かく言う刹香もぼーっと天井で回る換気扇を眺めるしかやることがない。

暇だ、と口に出してそれが宜野座の耳に入れば面倒臭いことこの上なく、かと言って同じく上の空の縢に雑談を持ち掛けるわけにもいかず。どうするかな、と思いながら、刹香は何となく隣の席に置いてあるゼリービーンズのビンに手を伸ばした。

「ちょ、刹香ちゃん勝手に取んなよ」
「いいじゃんゼリービーンズの一個や二個」

かじ、と黄色いそれをかじれば甘酸っぱいレモンの味がした。



ゼリービーンズが食べたくなっただけです(私が)。



*act.4 呼び方
※会話文

「刹香ちゃんさ、何で俺のこと呼び捨てにすんの?」
「は?」
「真顔! ……いやだって、他のみんなは何かしら敬称付けてんじゃん」
「……そうだっけ」
「無意識かよ。ギノさん何て呼んでるよ」
「宜野座サン、もしくは宜野座監視官」
「とっつぁんは」
「征陸サン」
「じゃあクニっち」
「弥生チャン」
「次、コウちゃん」
「狡噛サン」
「朱ちゃんとセンセー」
「常守サン、もしくは常守監視官。で、志恩サン」
「俺は?」
「縢。……あ、ほんとだ」
「何? 俺ナメられてんの?」
「なんか縢は縢って感じだし……執行官になったのも半年しか変わんないし? 別に良くない?」
「……良いけどさあ、変にやりづらいよりは」
「信用してんの、そういうことにしとけば?」
「そういうことに、っておい。てか初対面から呼び捨てだったし」
「じゃあ親しみ易かった。……もう良いでしょ、私グラタン食べたいんだけど」
「はいはい、昨日っから聞いてるよ。もうちょいで焼き上がるから待ってろ」



レンアイしないお話だけど、恋するなら縢君だろうなという特別感。縢君の料理が食べたい。

2014/11/19 22:53

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