Memo | ナノ


>>新連載が、したい[knv]

※デフォルト=壬(ツグミ)
※夢主とキイチがくっついた後
※基本的に喰君が偽者



同期の恋が遂に叶った、と喰が張本人である壬に伝えられてから二ヶ月あまり。
喰は久々に一時的とはいえ、壱號艇に帰ってきた。久しぶりだな、とそう思うといつもよりリラックス出来ているような気がした。
とは言え、キイチは艇を降りて仕事中。機嫌がよろしくないであろう今日の壬には会いたくないなぁと思いつつ、朔との挨拶を済ませた。

適当に、勝手にラブリーに改装された部屋でダラけていると、ノックも無しにドアノブが捻られた。

「うわ…これ喰君の趣味?」
「多分キイッちゃんの趣味じゃないかな」
「マジ喰君一回死ねば良いのに」
「壬の八つ当たりで死ぬとか嫌過ぎるんだけど」

勝手に入って来た挙げ句、部屋の内装に引いた顔をした壬に、部屋の改装をしたのはキイチだと告げる。途端、「狡い」と言わんばかりの八つ当たりをされて、うんざりと返した。

「ていうか、何しに来たの」
「……八つ当たり?」
「遂に八つ当たりを隠す気すら失せたかコノヤロウ」
「……うっせ」

勝手にソファーの上に上がり、クッションを抱えて拗ねた仕草。高身長の男がやって可愛い仕草では無い。むしろムカつく。同性にギャップ萌えは効かないのだ。

とは言え、結構な付き合いになる壬がここまで沈んでいるのも珍しく、喰は溜め息を吐きつつ少しだけ気遣いの心を出してやった。お茶を淹れながら考える、――これで壬の弱みが握れれば万々歳だ。

「で? 何があったのさ」
「………、ちょっと、いろいろ」
「いやわかんないし」
「……………喧嘩、」
「……は?」
「キイチと喧嘩、してさ……まあ、あれだ。初めてだからどう仲直りすれば良いか解らない」

ガキか、と突っ込みそうになって思い返す。――……そう言えば、長い付き合いの中でも壬が誰かと喧嘩しているところを見たことが無い。

対等でない立場の争い、小競り合いならあるし、喰とはしょっちゅう口喧嘩というか言い争いというか、そんなことはしている。
でも、それは喧嘩ではない。

二十を超えた大人になってから、人生初の喧嘩。しかも相手は最愛の恋人。
随分と可愛らしい悩み事だ。

「……ぶっは」
「笑うな馬鹿こっちは真剣なんだから」
「いやそんな拗ねた顔されても」

笑いのタネにしかなりません。

「それで? 状況はわかったけど、僕に何して欲しいの?」
「う……、……あのさ、正直死ぬほど嫌だし悔しいんだけど、」
「じゃあ他当たってよ」
「……御免、助けて。最悪なことに、頼れるの喰君だけで」
「それが人に物頼む態度? ……ま、良いよ。ただし――」
「書類一周間分?」
「よろしくねー」

にこやかにお茶を出してやった喰に、壬は顔をしかめつつ、どこか安堵した様だった。



140113

拗ねて悩む夢主が書きたかったのです。んでもって何だかんだ面倒見てやる喰君が書きたかったのです。
スランプ気味で文章が迷走しとる……

2014/01/11 23:05

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