Memo | ナノ


>>突発的SS[雨レ]

※夢主名:ローズ
※いろいろ曖昧



ミランとローズがサンクワール……というかレインの傘下に入ったのは、ほぼ同時期だった。強いて言えばほんの数ヶ月、ローズの方が後輩だけれども。
真面目で面倒見も良いミランと、やや人見知りがちなローズは、驚く程に馬が合った。必然、二人の仲は急速に発展し、今では誰から見ても相思相愛の仲である。

「ミーランっ」

とんっ、と背を軽く押されて、昼休憩中だったミランは振り返った。案の定、そこにはローズの姿が。

「ローズも昼休憩?」
「うん、今から。久々に重なったね」

にこ、と笑み崩れたローズは、多分贔屓目抜きに見ても可愛い。シェルファ姫王を筆頭に、シルヴィアやらレインの副官たるセノアやら、とにかく美人が多いので目立たないが、ローズだってそこそこの美少女なのである。
釣られて柔らかく微笑みながら、ミランは「昼食を食べ終わったら外に行こうか」と誘う。ローズは嬉しそうに頷いた。



食堂を出て人目が無くなった途端、ローズが怖ず怖ずと手を伸ばしてきた。間髪を入れずミランがその手を握ると、ほっとしたように頬を緩める。
一連の動作がどうしようもなく可愛いのは、それだけ惚れているということか。

「何処に行きたい?」
「人のいないところっ!」

即答された予想通りの言葉を、ミランは少し嬉しく思う。
この寒い中、外出しようなんてとち狂ったことを考える者は少なく、せめてもの風よけに城壁の寄り掛かる形で体を落ち着けることにした。

適当に会話をしていると、不意にぽつりとローズが呟いた。

「――――んだね」
「ん? ……ごめん、聞こえなかった」

風に飛ばされたローズの声を拾おうと、ミランは少し腰を屈めた。

「ミラン、隊長になっちゃったんだな、って。……レインさまに目をかけて貰うなんて、凄いなぁ」

少し遅すぎるタイミングの言葉は、何処か拗ねたようだった。
レインに初めて声を掛けられた日を思い出し、ミランは苦笑を漏らした。

「偶然みたいなことだったんだけどね」
「それでも凄いよ、隊長職だなんて」

そう言ったきり黙り込んだローズを気にかけながら、ミランは繋いだままだった手に、痛くない程度に力を込めた。
ぱっと見上げてきたローズを安心させるように笑んでやると、ローズは伸び上がってきて唇を軽く触れさせた。

「偉くなっても、忘れちゃ嫌だよ」

寂しがり屋の言葉に、ああ悩んでいたのはそれか、と腑に落ちた。

「忘れる訳無いよ」
「絶対?」
「絶対」

それでも不安を残した瞳をしたローズを、ちょっと狡いかな、と頭の片隅で思いながら抱き竦めた。一瞬固くなった身体はすぐに弛緩して、大人しくその身をミランに預けて来る。
心行くまで抱きしめた後、少しだけ身体を離して、優しくキスをした。


……昼休憩が終わる頃には、ローズの不安は払拭されていたのだった。



131022

思った以上に甘くなった件。

2013/10/22 20:43

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