ぼくにはこの夏休みが大変中身の濃い、充実したものになったと思われます。
半分をバイトに費やしたとかそういった話ではなく、ぼくのからだではなくて心が、大変充実したものになりました。
母の入院や、今までに経験したことのないバイトの日数や、あまり身近には感じられずに眺めていただけの大人たちともたくさん触れ合ったのです。
久しぶりにパソコンの画面に向かってペンを握ったり、何年かぶりにイラストサイトとしてサイト運営を開始したり、季節の移り変わりを感じたりしました。
からだは忙しかった気はしますが、こころは幾分か余裕があったのでしょうか。いろいろ考えたり、感じたり、見たり、話すことの出来た夏でした。
過去を振り返ってみると、後悔はつきませんが、ぼく自身そういうものはその時はそうするしかなかったのだと割り切る性格なので、開き直って今を生活しています。その後悔を野放しにするわけではありませんが。

今年の夏は季節に目を向け、耳を傾け過ごしました。初夏はひぐらしが鳴き、夕暮れは午後七時頃でしたが、今はつくつく法師が鳴き、夕暮れ午後六時半程度になり、夜は鈴虫やこおろぎなど秋の虫たちが鳴き始めています。空模様はぼくの目には既に秋のものとしてうつっています。空は高く澄み、星の形は変わってきました。夜風は涼しいものです。
もう夏はとうに終わってしまったのです。それは暦の上のことであり、ぼくの中でのことでもあります。ぼくのこころはもう冬を心待ちにしています。ぼくは冬が好きなのです。しかし、冬をぼくの思う形で迎えるには、夏を気持ちよく過ごすことが必要なのです。ぼくは一つの季節が終わる間際の不思議な空気が好きなのです。それを味わうには、過ぎていく一つの季節を楽しまなければなりません。楽しまなければ、季節が過ぎていくことに悲しみを覚えられないのです。

この夏は、それを味わうには十分過ぎるほどの時間を過ごしました。
ぼくのこころはとっても満たされています。


ぼくの夏休みは、ぼくの周りの人より少し長かったです。
その夏休みの終わりに、これを書きました。

ぼくは満足です。


2012/09/02(Sun)


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