八百造さんの憂鬱*



※ 八百造さんの扱いが酷いです











小さな子て時にホンマ凄いな、て思う時がある。


俺の1番下の妹なんやけど……最近、どっからそんな言葉覚えてきたん!?てくらい、驚く様な事言うてくる様になった。


せやから、かなり心配してしまうんやけど………







「じゅうにぃ〜!おかえりなさ〜い!」

「おー!○○ただいま!なんやお迎え来てくれたんか!」



家に帰って来たら、○○が玄関先にパタパタと小さな足で一生懸命走って来とくれた。

満面の笑みで”うん!おむかえきた”て俺の足に抱き着いて言うもんやから、俺もその笑顔につられてにこーって笑うと、○○はまた嬉しそうにしとった。



「○○はホンマ可愛えぇな!兄ちゃん幸せや!」



”よっ”と○○を抱っこしてやると、○○は俺の首に腕を回してぎゅうってする。



「えへへ!じゅうにぃだいすき!うち、じゅうにぃのおよめはんなるー!」

「○○がお嫁はんかぁ〜!」

「おかえりなさい〜てちゅーってするん!」



と、俺のほっぺに○○はちゅうって口を付けとくる。

”ははは、なんや今日の○○はサービス満点やな!”なんて○○と笑っとったら、お父がそんな俺らを、ジッと恨めしそうに見とった事に気付いた。



「おん、なんやお父、今日は早かったんやな。お帰り〜」

「………ただいま。柔造、○○……」

「どうしたん?元気なさ気やけど……何かあったん?」



俺は、抱っこしとった○○を下ろして、お父の様子を伺ったんやけど、いつもと様子が変や思たからやった。

そうや、と思って○○に”お父はんにお帰り言うたか?”と言うと、○○は俺の足元に抱き着いてぎゅっとしながら小さな声で”……おかえり”と言うのだった。


○○のその反応に、お父が元気無いんはこれか!とピンて来てしもた。

お父が○○の機嫌そこねさせる様な、何をしたかは知らんが、小さな可愛い娘に、こないな態度取られたら父親として凹むだろうと思て、気を使ってみた。



「あ!○○、お父早う帰って来たんやし、一緒に風呂入って来たらどうや?」

「そ、そうやな!○○、お父はんと一緒に入ろか?な」

やぁやっ!!



○○の”お風呂拒否”の言葉に、お父は少なからずショックを受けた様で、言葉が出ない様やった……



「”やぁや”って…○○、お父と風呂くらい入って来たらええやん?」

「やて、くさいんやもん!



○○の”お父臭い”発言には俺も驚いてしもて流石に、これはアカン……思て、○○を注意しようとしたら、



コラ○○っ!そないな事言うてると、お父はん○○とお風呂一緒入らへんからなっ!!



先に、強気に出たお父が逆ギレして○○にそう言うた。

と、怒られた○○はどないな反応するん思たら、



「べつに、おとんきらいやし、くさいから、はいらなくていいもんっ!」



と、べーっ!舌を出して、パタパタと凄い台詞を言うて走っていってしもた。


俺はすかさず、お父に



「お、俺はお父の事そないな事思わへんからなっ?だ、大丈夫やて!」



フォローの言葉を入れるが、どうやら傷は深かった様だった………


足をフラフラとさせながら、お父は





「………………飲みに、行ってくる………」





そう言うて、出て行ってしもた。


その後ろ姿が哀しくて、何だかこちらまで泣けてくる様やった………




(( お父、頑張れっ…… ))








後日、○○の機嫌取りの為か、お父は○○に”熊の縫いぐるみ”をプレゼントしたらしい。


その熊の縫いぐるみは、なんちゅうか…可愛くないと言うか…不細工な微妙な顔をしとって、……

買ってきたお父には悪いが、”こないなで大丈夫なんか?”て思たんやけど、意外と○○は喜んどった様やった。



「その熊の名前は何するん?」



て俺は気にいった様子の○○に聞くと、”どないしよう〜!”と言っていたのだが、何を思ったのか○○が、唐突に



八百造にする!」



て言い出した。


”八百造!?お父の名で、ホンマええんか!?”て驚いて聞く俺に”これにするん!”て○○は熊の縫いぐるみを”八百造”にしてしもた。


何も、熊の縫いぐるみにお父の名前やなくても……


それを聞いたお父は、それはまぁ喜んで喜んで!


まぁ、○○も気に入ってるし、お父も喜んでるんやったらええか、と思っていたものだから得に気にはせんかった。





せんへんかったんけど………




縫いぐるみ遊びをしていた○○が、






コラ!八百造!わるいことするん、おしりぺんぺんやよ!!






そう言うて、”熊の縫いぐるみの八百造”のおしりをぺんぺんとする○○を見てしもた………





末の妹の将来を、ホンマに心配してしもうた俺やった…………





(( 流石に、コレはお父に見せられんわ・・・・・・ ))










。。





志摩さん家の日常。

八百造さんの憂鬱w


妹ちゃんが小さな頃で、八百造さんが残念なお話。

小さな頃と言う事で大目に見てやってください(笑)



ベタベタな柔兄と○○ちゃんに嫉妬する八百造さんw

嫌われてしまっているから本当はベタベタしたいけど、出来ないもどかしさ(笑)

可愛がりすぎて嫌われた感じですね。


少し恋愛と掛け離れさせて、ほのぼの!?と〜〜



きっと、将来○○ちゃんは大物になるでしょうww





12/04/10



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