月が綺麗ですね






「満月・望、新月・朔、上弦、下弦、三日月………」


□□は夜空を見上げて月の名前を呟いた。


隣を一緒に歩く僕は”急にどうしたの?”って聞くと□□は少し嬉しそうに”月が好きなの”と答えた。


「今夜はね、空には何も見えないけど、ちゃんとお月様があるんだよ」

「そうか、今日は確か新月だったね」

「そうなの。そして今日からまた新しい月の始まり」


僕は少しよくわからなかったから、□□にどうゆう事か聞くと、それは月齢と言って新月から0日と新しく数えていくのだと教えてくれた。
だから今日から新しい月替わりになったのだと。


「毎日変わる月を見ていると、一日一日が過ぎてるんだなって実感する」


”今日は見えないけどね”と笑う。
そんな□□に僕は聞いてみる事にした。


「どうしてそんなに好きなの?」


と、□□は少し考えてから”かぐや姫だから恋しいのかな?”なんて可愛らしい事を言う。


「かぐや姫の話しは雪も知ってるよね」

「月の姫の話しでしょ?」

「女の人には、そのかぐや姫の血が入ってて、月を見ると故郷を思い出して”帰りたい…”と、月が恋しくなってしまうんだって」


”何だか素敵でしょ?”と□□はくすっと笑ってまた月が見えない空を見上げた。

僕は、そんな□□を見て無意識に彼女の手を取っていた。

□□はそんな僕に驚いていたけれど、僕自身も自分の行動に驚いてしまう。

((あ……))

そして、自分がどうしてそう行動をしたのか理解して顔が赤くなった。

((□□が……何処かに行ってしまう気がしたんだ…))

そんな僕に□□は気付いたのか優しく笑いかけてくれた。


「私は何処にも行かないよ?雪の側に居る」


□□に僕の気持ちはつつ抜けで少し恥ずかしくなる。


「それに雪に言ったら怒られるかなぁって思ったんだけど、月は雪みたいだなって思うの」

「……僕に?」

「月と同じで、毎日変わった顔を見せてくれるけれど、それはどれも全部綺麗で美しいものなの」


□□の言葉に僕は先程よりも自分の顔が赤くなったのがわかる。

□□は僕の正面に向き直り、”今日から新しい月の始まりだって言ったでしょ?”と話しを続ける。

そして、両手で僕の手を取ると


「雪と居ると月が綺麗に見えるの」


僕を真っ直ぐ見て優しく言う。

その言葉の深い意味に、僕はただ嬉しくて彼女を抱きしめる。


「僕も、□□と見る月が凄く綺麗だ」


僕が抱きしめた□□も僕を抱きしめ返してくれる。



”月が綺麗ですね”という愛の言葉。



今夜は見えない月だけれど、僕には□□と一緒に綺麗に輝く月が見えた。


今日から新たな1日の始まり。

□□との新しい関係を始めていこう。



そして、二人で一緒に月を見上げよよう。

きっと、いつもより綺麗に見えるから………


その時僕はまた言うよ



君への”I Love You ”を




。。



月尽くしのお話(笑)
ちょっと歳上のヒロイン。

雪男に「月が綺麗ですね」と言って欲しかった!!←今回のメイン


夏目漱石が”I Love You ”を”月が綺麗ですね”と訳したって話しを聞きいつか使おう!!と思っておりました(笑)
素敵すぎる話しだ!!


2月22日が新月と言うことで、せっかくなので月繋がりで使ってみました!

かぐや姫の話しもついでに出してみましたw

女の人はあまり月を見ちゃいけないみたいですね〜!

忘れてしまいましたが、月の影響受けるんだったか?



雪男にはヒロインが月に帰らない(何処にも行かない)様にずっと捕まえてて欲しいですね!

でももし月に帰ったとしても必ず迎えに来てくれる気がする(笑)




ありがとうございました!


12/02/23


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