勝てる気がしない





フワリと背中に暖かい物を感じ、私は閉じていた目を開けた。


「ん?……あ、れ?」

「ゴメン起こしちゃった」


ぼやけた頭で声のする方へ目線を向ければそこには雪男が優しく微笑んでいた。そうか、私はいつの間にか寝てしまっていたのか…


「ゆ、雪男!ご、ゴメン!寝ちゃって…」


私は机に突っ伏していた身体を起こせば、バサっと床に何かが落ちる音がした。


((制服?…あ……雪男の))


向かい側に座る雪男を見れば上着を着ておらず、ベスト姿だった。


「雪男がかけてくれたの?」

「気持ち良さそうに寝てたみたいだから、疲れてるのかと思って」

「そうだったんだ。ありが…くしゅん!」


”ありがとう”と言うつもりが最後まで言葉になる前に私はくしゃみをしてしまった。
しかも…何だろう…急に寒気が……してきた。
雪男がかけてくれた上着を引き寄せる。


「さ…寒い……」

「こんな所で寝てるからだよ」

「だって…暖かくて……つい」

「炬燵は体温調節きかなくなって風邪を引きやすいんだから気をつけないと…」


そう…私は炬燵の魔の手にかかったのだ。
私は炬燵に絶対勝てない。そんな、勝ち負けとかは無いんだけど……

雪男が、私と燐の為にって勉強を教えてくれてたのに……炬燵の暖かさに睡魔が襲ってきて……寝てしまいました。


「ごめんなさい。気をつけます……あれ、燐は……?まだ寝てる…」

「兄さんは風邪なんかひかないから大丈夫だよ」


「むぁ…うっせぇぞめがねぇ…むにゃむ…」


寝言なのに急に話し出す燐にクスっと笑ってしまった。”起きたらキツく言っとかないとね”との私の冗談もきっと雪男は本気にしそうなのが怖いけれど。


「また……で申し訳ないのですが、雪男先生…教えて下さい……」


雪男はすぐに先生の顔をして言う。


「□□は物覚えいいし大丈夫だよ。じゃぁテスト近いから一緒に頑張ろうか」


それからまた勉強を再開した。
身体の寒気はまだ少しあるけれど、炬燵が暖かいから大丈夫かもしれない。


「兄さんには、□□が風邪ひかない様に鍋でも作って貰おうか」

「いいねそれ。チゲ鍋にしよう!」


寝てる燐をいいことに夕飯を決定。起きたらお願いすることにしよう。

寒い時には暖かいモノを食べて元気にならなきゃね!



。。



「今度は皆で鍋パーティーしようよ!」

「皆で!?」

((段々人が増えていく…僕は、□□と二人 がいいんだけれど…))

楽しそうに言う□□に皆でもいいか、と折れるのはいつも僕の方だった。

□□には勝てる気がしない。


。。


睡魔には勝てません....

雪男の「こんな所で寝るからだよ」てセリフが聞こえたのでw

図書館にしようと思ったけれど、時期的にコタツにしました〜
コタツにも勝てませんww

コタツで鍋とか最高です!
塾の皆でワイワイってのもいいなぁ〜

12/02/15
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