お一つ如何です?






「ハッ…クシュン!クシュンッ!」


((ううっ…この時期は最悪だ……))



鼻をぐずぐずとさせながら、そんな事を思っていたのだが……直ぐに自分の失態に気付く。



「なんですか□□、くしゃみなど貴女が珍しいですねぇ……」



メフィストの目の前で、大きなくしゃみをしてしまったのだ。

いつもは気をつけているだけに、珍しいモノを見たとばかりに、ニヤリとしながら言ってくる。



((……くそっ、私とした事がっ!何たる失態っ))


「メフィスト煩い。仕方ないじゃない、花粉症なんだからっ………クシュン!」

「あらあら、それは大変ですねぇ」



いろいろ面倒だから、メフィストにだけはバレ無い様にしていたのだが……今年は無理だった。

春先になり、花粉が飛び交う季節となった。

私は花粉症に悩まされているのだが、その年によって花粉の酷さが違って、昨年は何とも無かったのだが……

今年は酷い事に目は痒く・鼻もくしゃみも全部で、近年稀にみる辛さだった。

そんな状態を隠し通せる訳も無く、すぐにバレてしまった。



「眼も痒くて、今年ホント酷いんだよね…」

「そんな□□に、一ついい事を教えてあげましょう☆」



ウインクをしながら言ってくる、メフィストのいう事は大抵よくない事だが、とりあえず何かと聞いてみる。

フッ…とキメ顔をしたメフィストは、



『目を、掻いたらそこで試合終了ですよ……』



「思いっきりパクリじゃないか!!有名なセリフのっ!!試合終了って何がだよっ!!」

「なんですかカリカリして、せっかく私がいい言葉を話してあげたのに」



メフィストの話をまともに聞こうとしたのが間違いだった。目が痒いとか話したら本当に痒くなってきたし、またくしゃみも出た。メフィストのせいだ!




「クシュン!!……うう…メフィスト…ティッシュ……」

「仕方ないですねぇ〜〜〜!ハイッ☆」



そう言って、ポンっ☆と可愛らしいピンクでデコレーションされたティッシュ箱が宙に浮き、フワフワと私の目の前に飛んでくる。

ご丁寧に同じ様なゴミ箱付だ。



「これはこれは……ありがとう」

「いえいえ□□の為あらば」

「……メフィストは花粉酷くないの?」



貰ったティッシュで鼻をかみながら、そういえば…と思い、メフィストに尋ねる。



「私ですか?酷いですよ?……ヘークシュン!!あ、失礼…」

「私と同じじゃないの……なんでそんなに平気そうにしてるのよ?」



”私も一枚…”とティッシュで鼻をかむメフィスト。

花粉が酷いと言いながらも、平気そうにしているそんなメフィストが不思議だった。

そしたらメフィストはニヤリとしながら、ティッシュと同じ様にポンっ☆と何かを出すのだった。



「コレは花粉に効く薬なんですよ?□□も如何ですか?」



ピンクに色取り取りの花が描かれて、随分ど派手な瓶を手にして”花粉に効く薬”だとメフィストは言う。


((明らかに…怪しすぎるだろぉぉぉっ!))

「私、苦い薬は飲めないので結構です」

「おや?それでは、この中の一粒を……エイっ☆」



私が苦そうな薬、というよりも怪しそうな薬だと思って上手く回避したにも関らず、メフィストはその薬を私の目の前で飴玉に変えてしまう。



「これなら苦く無いですし□□でも飲みやすいのでは?」

「……流石にちょっと…あやし……いえ。もっとマシなのはないんですか?寧ろ私の花粉をポンと治して欲しい……」

「我侭ですね〜〜〜!□□は私を何だと思ってるんですか?」

「え……悪魔でしょ?」



私の言葉にメフィストはクスクスと笑い、私は本日二度目の失態に気がついた。

メフィストは顔をニヤリとさせながら、ツカツカと私の方へ歩み寄ってくる。



「ご存知であれば、悪魔との取引も□□には御分かりでしょう?」



私の顔を覗き込む様にしてメフィストはそう囁く。その瞳に目を合わせない様に顔を背ける。



「□□の願いに見合う、対価を戴かなくてはいけませんから……□□は私に何を下さいますか?」



クイっと、私の顔をメフィストの方へ無理やり向かされる。

そうして見えた、メフィストの笑う顔も、囁く声もまさに悪魔そのものだった。



「……取引と…対価ね……」



私は冷静になって、メフィストの顔を自分の手でグイっと押しやる。



「ふん!私は薬局で十分だわ!」



花粉くらいで、私の大事な何かと引き換えなくてはならないのなら、そんな取引はしなくていい。



「あら、それは残念ですね☆」



メフィストは新しいオモチャを逃がしたとばかりに残念そうな顔をする。

そんなモノに私はならない。


”それでは”とまたメフィストはポンっ☆と私の手元に出してくれた。



「ちなみに私は”紳士”ですからね!大変そうな□□に、コレくらいなら差し上げましょう☆



□□はピンクのマスクを手に入れた。花粉防御レベルが100上がった。▼」

「そんなゲームのナレーションみたいな言わなくていいから!ありがたく受け取るけどっ!!」



クスクスと私の前で笑うメフィスト。メフィスト相手にするとホントいつも読めなくて調子が狂う……疲れると言っていいかもしれない。



「それではコレをつけて、また明日からもお仕事頑張って下さいねぇ〜〜」

「わかってるわよ!失礼しましたっ!」



バタンとメフィストの部屋から私は出て行く。


今日はただメフィストに仕事の報告に来ただけだったのだが、なんだかグッタリとしてしまう。

手にしていた貰ったピンクのマスクを、せっかくだからつけてみる事にする。



暫くそのマスクを使用していたのだが……



悔しいけれど、花粉防御レベル100というのがわかった気がした。



((またマスク欲しいからって、メフィストに頼みに行くの嫌だ…今度こそ何か寄越せって言われる…はぁ……))




花粉症辛いっ!!








。。





初めましてメフィスト!!

甘い夢、というかメフィストとのおふざけが楽しかったww

花粉症ネタで、メフィストにティッシュを出してもらいたいが為に書いてみた!

メフィスト花粉も酷かったらウケるなww

テッシュを出してもらいたかったら、いろいろ出してくれたw

怪しいクスリとか、お菓子とか、怪しい道具とか…メフィストにしか出来ないと思う!うむ。

あと、ゲームとかアニメネタもねw


悪魔なメフィストはいいね!(ニヤリ)

ありがとうございました〜〜!


12/03/24



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