君ヲ望ム・・・





彼女の頬を伝う涙が、キラキラと輝いて見える。


彼女の頬に触れ、俺の手で涙を拭いてやると、少しヒヤリとした……

その涙の冷たさは、彼女の心の痛みなのだろう。


ぎゅっと、彼女を抱きしめる。



「○○ちゃん…俺は○○ちゃんの側におるで?俺ん事も…見てな……」



今にも折れてしまいそうな、彼女の細い身体を、俺はただ強く、強く抱きしめた……






腕の中で泣く、○○ちゃんに好きな人がいるのは知っていた。


俺は、女の子は可愛らしいくて大好きだから、○○ちゃんの事だってもちろん好きだ。


最初は○○ちゃんへの想いはただ、皆一緒の”好き”でしかなかった。



でも、俺の中で気付いたら特別になってた……





きっかけは、席替えだったと思う。




その日、珍しくクラスで席替えをして、○○ちゃんと隣の席になった。


俺は、隣の席が可愛い女の子でよかったな、と思うくらいだった。


隣の席になって少ししてから、俺は○○ちゃんに質問された。



『男の人って、プレゼント何あげたら嬉しいのかな?』

『○○ちゃん俺に何かくれるんか!?』

『いや、志摩くんじゃないからっ!』



即答で拒否られてしまって、”そんなハッキリ!?…寂しいわぁ…”って泣き事を言ったら、○○ちゃんはクスクスと、可愛らしく笑うのだった。


俺は、○○ちゃんはこんなにも可愛らしく笑うのだと、隣の席になって初めて気付いた。


それから話しを聞いていると、彼女に好きな人が居るのがわかった。


好きな人がいるのなんて悪い事ではないし、可愛い子に好きな人がいるなんて可笑しくはないだろう思った。


頬を染めながら話す○○ちゃんから、本当にその人が好きなんだって嫌でもわかった。


俺は可愛い子と話すのも好きだし、占いなんか頭に入ってて得意だからと、○○ちゃんの相談に乗ってあげていた。

○○ちゃんは何処か天然なのか、素で面白い事をしたりしててよく笑った。

その笑顔はいつも可愛いらしいく、楽しそうに笑うのだった。






ある日、その人に贈り物をしたいからと、○○ちゃんに頼まれて休日に一緒に買い物に行くことになった。



その時だったろうか…

俺の中でいつの間にか、○○ちゃんが特別になっていたのに気が付いたのは………




贈り物も決め終わり、○○ちゃんと一緒に帰ってる途中だった。




『志摩くん今日は本当にありがとう!私、これ渡す時…頑張って…告白するね!』




○○ちゃんの言葉に、ズキっと胸が痛んだのがわかった。




途中から気付いてはいたのだ……



((なんや…彼氏、彼女のデートみたいやな…))


そう、○○ちゃんと一緒にいろいろな店を見て回って、買い物をしていて凄く楽しくて……

それにもっと笑ってる笑顔を見ていたい・・・と、思ってしまった事。



けれども、そんな彼女は他の人を想ってプレゼントを選んでいる…


可愛らしく笑う笑顔も、声も、全部、自分が知らない人へ向けられているモノだと……



『どんなのがいいかな?』


((誰かん為にやるモンを、俺に聞かんといて欲しい…))



俺の中の完全な”嫉妬”に気付いた。

それでも俺は○○ちゃんにいつもの様に接してしまう。

《彼女へのアドバイス》…それが俺の役割で、きっと○○ちゃんの望みだから……




”告白”という単語に胸が締め付けられた。

苦しいと思いながらも、口からは”応援しとるで”

”○○ちゃんの幸せを願っとる”なんて言葉が出る。



俺は○○ちゃんが、”皆と一緒の好き”じゃない”特別な好き”なんだとその時気付いた。









傷ついて、きらきらと涙を流す○○ちゃんを抱きしめる。


そんな彼女に、甘い言葉をかけるなんて、なんてずるいのだろう。



「やっぱり俺のこと、○○ちゃんに見て欲しい。俺、○○ちゃんが、好きなんや・・・・・・」



俺は、何処かこうなってよかったとも思う、酷く残酷な自分もいた。




「今は無理でも…俺は、待っとるから・・・だから、今はいっぱい泣き・・・」

「うぅっっ…し、ま・・・くん・・・・・・ごめ・・・ん」



腕の中で泣く、○○ちゃんから少しずつ声が漏れる。



「振られるとるみたいで嫌やわぁ・・・今は謝らんといて?」



ふざけている訳ではないが、少しふざける様にして○○ちゃんに話しかけた。

今は少しでも、元気になってもらいたかったから・・・・・・



「こんな時やけど、俺からのお願い聞いてくれん?・・・名前でいうて?・・・廉造て・・・」

「っ・・・れ、んぞっ・・・ごめ…ん」

「もーー謝るのなしや言うたばっかやで〜?」



強く抱きしめ、そして・・・優しく頭を撫でると、○○ちゃんの髪は、柔らかくサラサラとした。



「・・・”○○”、待っとるから……な?」







彼女は岐路に立つ時が来たのだ。


その選択に迷う事はない……新しい道を進んで。



ゆっくりでもいい、振り返らずに、前へ前へと……



その道の先が、俺と同じ道だったなら……



そしたら、俺は○○の手を繋いで、隣で一緒に歩いていくから………


その手を離さないで、ずっと側にいるって誓うから。






○○が、同じ道へと来てくれるのを




俺はただ、望むだけ。






。。



れ、廉造で切ない系・・・どうでしょう・・・?


あまり切ないのは書かないつもりだったんですが、ちょっと書いてみました。


女の子大好き!!で恋愛相談乗っちゃうよ!→相談うけてたら好きになるw

でも廉造は○○ちゃんが、本気で相手を好きだって知ってるからこそ、それも全部わかった上で待ってるからって・・・

うーん、廉造には大人すぎたかな?ww


あと、席替えは夢があっていいな!と思うのです!


○○ちゃんの好きな人はあえて誰とか書きませんでした。

皆好きだから、ほかの青エクキャラからフラれるのは嫌じゃないすか!悲しすぎるから!

泣いてるって事は、上手くいかなかった、その話を廉造は聞いてて・・・て感じです!


ゴメンね廉造!これから上手くいくといいね!

やっぱ幸せになって欲しいですからね!


うむ、切ないのは・・・あまりかかないようにしよう!




ありがとうございました!


12/03/05




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