いつもの君を
授業中、俺に渡された一枚の紙。自分の名前の横にある《7》って数字に”ラッキー7やなぁ”なんて思ったのはあながち間違いでは無かった。
その日、前の授業でやったテストが先生から返された。
俺の名前、[志摩 金造] の横には《7》という良い数字。
……テストに関しては全く良く無い数字ではあるが、何と無く”ラッキー7”と言う言葉が頭に浮かんでしまった。
俺はその点数を見てガックリ肩を落とす訳でも無く、むしろ”俺にしてはえぇ方やん!”と思う。
全く勉強せずこの点数によくやった!と言いたかったが、世間一般的にはそれは通用しないらしい。
そんな”ラッキー7の俺”
((…あ、なんや”ラッキー7の俺”ってカッコえぇ気ぃしてきた!))
に言い渡されたのは《追試・課題提出》
((カッコえぇ俺にはそんなん大した問題あらへん!))
「な、訳で…○○サン教えて下さい」
「まず7のカッコよさがよく解らないんだけど……」
俺は席が隣の○○に勉強を教えて貰えるようにお願いする。
その前に、”ラッキー7の俺”のカッコ良さを伝えてみたら一刀両断される。
「どうしたらそんな発想が出来るのかも逆に教えて欲しいわ…」
”その点数も取りたくは無いけどね”と言われたくらいだ。
俺のカッコよさがわからんとは○○は”まだまだやな”と言ったら少し睨まれた。
「……スンマヘン。教えて下サイ……」
「じゃぁまずは課題からね…」
○○はクラスで1番頭が良かった。その隣の席になった俺は、授業なんか真面目に聞く訳が無く、よく先生に注意を受けていた。
何かある度に”○○に教えて貰え”と言われた。
渋々俺も言われた通りに聞く。
○○は面倒だと言わずに聞けばしっかり教えてくれた。
頭の悪い俺でも凄くわかりやすく自分でも思ったより簡単に問題が解ける時があって驚いた。
毎回追試だ、課題だとある度聞いてしまうものだから、もう○○に先生をしてもらった方が俺も理解出来るのではないだろうか。
「なぁ○○…もぅ俺専属で先生やってくれへん?」
「……っ!…も、十分専属…な気がするんだけどっ……」
「あ、せやな!」
よく考えたらもうとっくにそうかもしれなかった。
確かに俺に付きっ切りで勉強を教えてくれるのは○○だけだ。俺も○○にしか聞かないしな。
「そ…それじゃ…次いくよ」
○○は真面目だし、授業中もいつもマメに教科書にマーカー引いたり、ノートを綺麗にとったりしている。
勉強を教えてくれるのも、そうやって自分でしっかり勉強してるからこそ教えられるからだ。
○○は授業の時だけ眼鏡をかけていた。
視力だってきっとそれで悪くなったのだろう。
((…ぁ、よく近くで見るとまつげ長いんやなぁ…))
「金造聞いてる?ぼーっとして!」
「ぇ、あスマン」
声をかけられて俺は我にかえった。
今隣で教えてくれている○○は眼鏡を外しており、その姿を近くで見ることが無かった俺はジッっと○○を見てしまっていた……
「いや、今日眼鏡しとらんのやな…て」
「あぁ、ちょっと度数上げたら強すぎて…一応あるんだけどね」
○○は鞄から眼鏡ケースを取り出してみせた。
その強い眼鏡というものが気になった俺は貸してと頼んだ。
俺の顔には少し小さい眼鏡をかけてみたら、一瞬で世界が歪んでクラクラとした。
「これはアカンわ…!」
「だから言ったのに…」
そう言って○○はクスと笑って俺が強すぎてキツイと思った眼鏡を平気でかける。
眼鏡をかけた○○は、いつも授業中によく見る姿へと変わる。
眼鏡をかけただけなのに、○○の周りだけが落ち着いた、静かな空気に変わった様な雰囲気になる。
そして、顔にかかる髪をスっと耳にかけた姿に俺はドキっとしてしまった。
「っ……これはアカンわ!」
俺は机に突っ伏してため息をはいた。
”酔っちゃった?”と聞く○○に”おん…”とだけ答える。○○はきっと眼鏡をかけたからだと思っただろう…けど、俺が酔ったのは違うモノだ。
チラっと腕の隙間から○○を見る…。そんな俺の姿にクスっと笑ってこちらを見ていた。
勉強は好きになれそうにはないのが、先生によってはこんなに違うのかなと思ってしまった。
クラクラとするのはきっと眼鏡のせいだ。
((やっぱ、”ラッキー7”やったな……))
。。
学生!捏造金造でした(笑)
カッコイイの書くつもりだったのにおかしいな…どうした…
しかも初めカッコイイ廉造!書こう!としてたのに序盤で金造に持ってかれたww
ゴメンね廉造(笑)
勉強出来ないおバカな子で秀才ちゃんにクラクラとしたらよいなと〜
こんなヒトコマもありかと!
ありがとうございました!
12/02/18
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