テストを受けた次の日、私は筋肉痛になることもなく清々しい気分で登校した。以前の私だったら激痛で動けなかったかもしれないのに、この体はぴんぴんしている。若いっていいね!今日も彩香ちゃんと合流し、結果がどうなったかなどの話をしながら学校へ向かう。私は100%落ちたし気楽なものだ。もし彩香ちゃんが受かっていたら、ノマカプもぐもぐしに見に行くね。彩香ちゃんは可愛いからきっと絵になること間違いなしだ。

「おはよー」
「あっ名前ちゃんおはよ!」
「おはよ!…ねぇ昨日どうだったの?」

彩香ちゃんとバイバイして自分の教室に入ると、相変わらず教室の端に二人でいる巴ちゃんと弥生ちゃんに挨拶した。昨日はごたごたして連絡出来なかったから、まだ二人にはテストのことを話していないのだ。

「もちろん落ちたと思う!」
「違う!そんなのわかってる!」
「昨日はどんな絡みがあった!?」
「ひどい…!君達欲望に忠実すぎだよ!」
「だって名前ちゃん落ちる気だって知ってたもん」
「わかりきってることより、知らないことを聞くのが普通でしょ?」
「まあそうだけど。もうちょい反応が欲しかったです。…ちなみにご希望の絡みだけど、レギュラーはぼぼ見られなかった。だけど代わりに平になかなかの逸材がいまして…」
「「詳しく」」

驚きの食いつき!落ちるとは言ったけど、何も私がタダで帰るはずがない。ボールを拾いつつばっちりホモフィルターで男子たちを観察していましたとも!それを細かく二人に説明していると、あっという間にホームルームの時間になっていた。やだ時間全然足りない。しぶしぶ自分の席に着くと、担任が出席を取り始めたのだった。



「よ、名字。はよ」
「……。おはよう丸井くん」

あれ、なんかこんなこと前にもあったような…。てか昨日だね。昨日何故か話しかけられたね。そして今日も何故か話しかけられたね。なんだ、そんなに丸井はクラスメートと交流を計りたいのか。あっちにもっと仲良くなりたそうな人達がいるんだからそっち行きなさいよ。それか仁王との交流をもっと深めなさいよ。
挨拶されたし一応返すが、昨日の今日でマジでなんなんだろう。

「あのさ、なんか幸村くんがお前に伝えてって言ってたんだけど」
「…あ、なるほどね。うん」

私の疑問は即座に解決した。なんだただの伝言係か。ご苦労様、わざわざお前失格だってよ、なんて言うために…。

「放課後部室に来いだってよ」
「!?なん…だと…!?リンチ?むしろミンチ?私ボコられんの!?」
「なんでそうなんだよ!やべー呼び出しとかじゃねぇから!多分。幸村くんだし………、多分平気だろぃ」
「多分って言うのやめよう!?不安になるから!」

まさかの呼び出しだった!え、なんで失格なのに呼び出されなきゃなんないの!もしや私が手抜きだったから…!?いやでも、私なりに頑張ったし!幸村の逆鱗に触れることなんてしてないはず…!

「平気だって!お前手違いだったんだろ?入部届け返すとかそんなんだって」
「あ、ああ…それなら納得…。でも正直持ってきて欲しかった。行くのめんどくさい」
「んなこと俺に言うなよ。んじゃ確かに伝えたから!」
「うんありがとう。私もたまに応援行くから、頑張ってね丸井くん」
「おう、サンキュな名字!」

よかった、お前調子乗んなよ?とかいう呼び出しじゃなくて本当によかった。丸井にお礼を言うと人懐こい笑顔を浮かべ、そして席へと戻っていった。…丸井イケメン。女の子がときめきそうなことをさらっとやってのけるなんて…そこに痺れる憧れる。こうやって仁王も恋に落ちたんだね。うん、それは仕方無いな。

こっそりネタ帳に書き記し、授業中にひたすら話を考えてはにやにやする私だった。


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