同じ学部の友達数人と学食でご飯を食べている時、A定食のサラダをもそもそと食べながら一人の子が目をきらきらと輝かせながら話を始めた。

「今度のゼミ出る?」

「えー、必修じゃないし出なくてもよくない?」

「絶対出た方がいいってー!あたしのバイト先にいるイケメンが教授の助手として来るんだって!」

「イケメン来るならパス。私行かない」

「名前は相っ変わらずイケメンアレルギーよね」

「そろそろ腹括りなさいよ」

「人生損してるって!」

嫌だって言ってるのにトントン拍子に私のゼミ参加が決まる。ゼミは別に嫌じゃないけど、イケメンが居るなら話は別だ。
友達が目の保養だとかあわよくばお近づきにとか話しているのを横目に温かいお茶を啜りながらそういえば話をし始めた人の塾って雪男さんもいたなーとぼんやり考えていた。

家に帰ってから仕事を終え帰宅した雪男さんにそのイケメンとやらの話を聞いてみると何の事はない、友達の乙女フィルターがかかっただけで彼は普通の男性なのだと教えてくれた。

「写メもありますよ。見ますか?」

「是非」

職場らしき事務所で撮ったと思われる写メには雪男さんと雪男さんより少し背が高い優しそうな顔立ちの男性が写っていた。成る程確かに普通の男性だ、納得しつつ携帯を返しゼミに参加する旨と日程について話した所雪男さんは何故か嬉しそうに微笑んで私を抱き締めてきた。

「え、ちょ、雪男さん?」

「あー…いや、何だか嬉しくて」

「?」

私がゼミに参加するのが嬉しいらしい。意味が分からず首を傾けるも雪男さんはにこにこと嬉しそうに笑いながら私を抱き締める腕に力を込めるだけだった。

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テーマ「人外ファンタジー」
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