WD企画没ネタ



冒頭のみ書いて没。

予定していた相手:雪男
夢主設定:頭にお花畑が広がってる所謂イタイ子


登校途中にあるコンビニで、きなこ餅味のチロルチョコを箱ごと購入し緩く長い坂道を歩みながら今日という一日の中で得られる潤いの数々に期待を膨らませる。コートに突っ込んだ手から伸びるコンビニのレジ袋がずっしりとした重みが思考の妨げになったので弁当と財布に筆記用具、女の子に人気のアニメキャラが描かれた自由帳しか入っていないスカスカの鞄に詰め込んで再び自分の世界に浸る。
今日は沢山の人達が結ばれ、一部絶望に散るのだろうな。やはり渡すなら階段の踊り場、昇降口、体育館裏、屋上、教室に机の中…うーんどのシチュエーションもいい!
渡し方はどうなの?正面から堂々、去り際に然り気無く、乱暴に投げつける、こっそり隠し入れる、パッと渡して逃げちゃう…うんうん、いいねいいねエンジン掛かってきた!

私は何かと空想や妄想に浸る事が好きだ。自分の頭の中だけに広がる自分の世界を心の底から愛している。雨はジェリービーンズだったりべっこう飴だったり。空に浮かぶ雲は必ず何かの食べ物の形をしていたり。行き交う人々は皆フレンドリーで優しくて、同性愛なんかも平気で受け入れちゃって笑いが絶えない。そんな世界。
たまにクラスメイトや先生、好きな人すらも妄想の糧としてしまうのが悪癖なのだがその代わりに私は現実を見る事を必ず忘れない。自分の世界の常識はこの世の常識ではないと受け入れ、この世界すらも楽しく生きようと。この世界じゃジェリービーンズや飴の雨は降らないしまだまだ同性愛の偏見や皆笑っている裏では何かしら企みを持っている、そんな荒んだ世界だけど私に妄想の糧を提供してくれる。だから私は自分の世界同様、この世界も平等に愛を持って接している。

「そんな私の事を人々は変人と呼ぶのだけれど」

上り坂の先で高等部の校門が見えてくる。冷静を装いながらも浮き足だっている男子達は貰う側?それともまさかまさかの渡しちゃう側?
そわそわしている男子をロックオンすればたちまち頭の中は目当ての男子に照れながら自分の作ったチョコレートを渡すのだ。周りの人間は気にしない、だってこんなの日常茶飯事だから!
下駄箱の靴を開いてローファーと上履きを履き替える。よく考えたら下駄箱の中にチョコを入れるのは些か不衛生ではないだろうか?もしも今日が雨の日だったらきっと大変な事になっていただろう。菌の繁殖力を馬鹿にしてはいけない。

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厨二病というにはあまりにメルヘン過ぎて
メルヘンというには現実的なのが混ざっていて
結局中途半端なイタイ子設定になってしまいました。


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