交友録4番外編(庭球)

本当は肩に謙也のイグアナ、膝にカルピンを乗せてアニマルハーレムを作りたかった。途中で終わってます。

▼ 続・動物王国

可愛いというのは時として罪に値する。私の膝に鎮座するそれを見て今なら海よりも深い自信のある溜め息を吐き出した。残念ながら私の周りに助けの手を差し伸べてくれる人は、いない。何故なら部長コミュニティの場であった円卓には私以外の誰もいないからである。手塚さんカムバック。

「ほあらー」

毛玉のような真っ白いそれは猫にしては独特な鳴き声をあげて私の膝の上で丸くなりごろごろと喉を鳴らしている。誰だよ打ち上げに猫連れ込んだ奴!私が連れて帰ってもいいのか、いやお父さん猫アレルギーだから結局連れて帰れないけど!ノートに何かを書き込んでいる柳くんと目が合ったのでタ、ス、ケ、テ、と口パクで助けを求めるとコ、ト、ワ、ル、と口パクでの拒否が返って来た。この数時間で私は柳くんと大分仲良くなった気がする。そして私は今日新たな――彼の台詞を借りるならばデータ――一面を垣間見た。柳くんは見た目によらず薄情な人だ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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