財前のファンに絡まれる親友2(庭球)
・今度は屋上に呼び出されました
・2/12 一部修正
「わ、私…入学した時から財前くんの事が好きで…」
「へぇ」
「正直、先輩が財前くんと仲良くしてるの見てられないんです…」
「ほぉ」
「だから……お願いします、財前くんから離れて下さい」
「ふぅん」
「…先輩…私の話、聞いてましたか?」
「聞いてたよ、つまり私が邪魔だって言いたいんでしょ?」
「……」
「私、別に下心があって光と仲良しこよししてるわけじゃないし。っていうかあっちが勝手に懐いて来てるんだから私に文句言われても困るわけ」
「……」
「大体アンタ光の何なの?」
「…え、」
「光の友人関係に手出して何が楽しいの?友達でも邪魔なら離れさせるって、そういう考えどうなの?」
「……」
「恋って色々な感情とか他愛ない会話だとか、そういうものの積み重ねじゃないの?」
「……それは…」
「不要なものを省いたイージーモードで簡単にクリア出来るものじゃないよ。ゲームのやりすぎじゃない?第一、好きなら今頃もっとアタックしてるよね。光と面識がないくせに光の友人関係管理とか、アンタ光の管理人か?」
「そ、そんなわけじゃ……!」
「自分の立場で考えてみろ。ぶっちゃけ超気持ち悪いよ、知らない奴に友人関係管理されるなんて」
「わ、わたしそんなつもりじゃ…。先輩も財前くんと話してて迷惑そうにしてた、から…」
「本当に迷惑ならもうとっくに友達辞めてるよ。アンタらファンが徹底的に友達駆除したお陰で光の友達って部活のメンバーと私しか居ないわけ。部活のメンバーにすら壁作ってる光の愚痴や考えは誰に言えばいいの?アンタ達が光の逃げ道を塞いであいつを苦しめてるって分かってる?」
「……」
「だからさ、光に直接言いに行きなよ。今から」
「!?」
「今なら丁度ご飯食べ終わって機嫌良さそ……いや、女に囲まれて機嫌悪そうだけど…まいっか。よしじゃあ行こう今すぐ行こう!」
「えっ」
「ひっかるー!」
「あ、あわわわ…っ!!」
「光ー今日も女に囲まれてハーレムだねー」
「…先輩」
「うっは光の周りだけ負のオーラぱねぇ」
「……ソイツ誰すか」
「あーこの子光が好きだから告白しに来たって」
「!!」
「ほら、言いなよ」
「…あ、あの…っ」
「俺、彼女要らん」
「!!」
「うっといねん、どうせ付き合うたら先輩と離れろ言うんやろ。何で俺の人間関係に口出されなあかんねん」
「うわあ、ばっさり」
「アンタらも周りうろちょろしてうっといねん。嫌がらせか、辞めろや」
「よしよし光、頑張ったね」
「おん。もっと褒めたってくれてもええですよ」
「明日のお昼にぜんざいの差し入れをあげよう」
「!、マジすか」
「マジっす」
「……先輩、すき」
「光の懐き度がアップした!」
「…ゲームみたいに言わんで下さい」
「あは、ごめんごめん」
「先輩」
「ん」
「先輩から会いに来てくれるんは嬉しいけど、俺のファン連れて来るん辞めて下さい」
「あーごめん、呼び出した上に有ること無いこと言われるとついカッとなっちゃって」
「…次からは呼び出し、無視でええっすわ」
「屋上とか体育館裏とかベタだよね。光と私の交友に不満があるなら二人で居る時に言えば良いのに」
「先輩」
「…ん?」
「…あの、俺んこと嫌いになりましたか」
「え、そんな事ないけど。どうした光、誰かに何か言われたか」
「良かった。先輩に嫌われたら俺死ぬ」
「うさぎか」
「うさぎっすわ」
「光は犬っぽいけどなぁ」
「ならうさぎ犬で」
「ないわー」
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忠犬、光。
ドSな財前もいいけど、年上夢主にべたべた甘える忠犬財前の方が好きです。
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