もしも大学の廊下でメフィストと鉢合わせになったら
・もしも正十字学園大学の〜の続き
「あ」
「あ」
「……さようなら」
「ちょ、ま！待って下さい！」
「何ですか鬱陶しい」
「入学式の時から見掛けなかったので、神隠しにあったのかと心配のあまり学校を見回っていたのです。ああ、会えて良かった」
「(必死で逃げ回っていたなんて言えない)」
「お昼ご一緒しませんか？」
「お断りします」
「即答！」
「理事長と昼食を食べる程、私理事長と親しくありませんし」
「そんな堅苦しい。これから…いえ今からでも仲良くなってしまえばいいんですよ！」
「お断りします」
「友人！せめて友人からでも！」
「お断りします」
「…ひ、酷い…貴方は悪魔ですか…！」
「それでは失礼します」
「ぎゃーすみません！ごめんなさい！謝りますから、謝りますからァァア！！」
「……」
「……」
「…理事長、トイレまでついて来るのは流石に気持ち悪いと思います」
「ふふん、ワタクシ紳士ですよ？まさかトイレにまでついて行くなどああああ話の途中ですよ！せめて最後まで聞きなさい！」
「理事長」
「はい」
「この学園では入学式の日に犯罪抑止と悪魔対策の為に、悪魔に有効な音色を組み込んだ防犯ブザーを配布していますね」
「はい」
「そしてこれが私のブザーです」
「はい」
「鳴らしていいですか」
「はい……え？」
「鳴らしますよ」
「え、ちょっ、待っ」
ビィィィイイイイイ
「鳴らしました」
「ぎゃぁぁあああ！」
「…あ、失神した」
「……やっぱり悪魔なんだ」
← | →