2012.04.09 (Mon) 18:45
嘯く傷年の青*

 気持ちが悪い。何かが喉を通って込み上げてくるような不快感に今朝は目が覚めた。焦点が定まらないまま黄ばんだ天井を幾分か見上げた後、寝返りを打っていつものように枕元で開き切って引っ繰り返っている携帯へと手を伸ばした。遅刻何斯(どうこ)う以前にどうやら今は昼時らしい。連絡を入れなくては又先日の二の舞になりそうだ、と少なからず思考を巡らすが指はぴくりとも動かず、顔を顰(しか)める。途端に、天井へ向けて見上げるように携帯電話を持っていた手の握力が弱まり、それの重さにだらりと腕が垂れ下がった。ああ、何て面倒臭い。
 未だ慣れない環境に精神的な苦痛を溜め込んでいたせいか、此処のところ不調な日が続いていた。だが、艱苦(かんく)に耐えて周りに当たらなかっただけ、自分が思っていたよりもあの頃より心身の方は成長しているようだ。心得違いだったのか。体の成長に精神が追い付けていない、寧ろあれからというもの俺の中で正常に時を刻んでいた筈の時計が何らかの原因により止まってしまっているような気がしていたが、それも杞憂なのだろうか。己の理解などとうの昔に忘れてしまった。やがて視界を遮ろうと瞳を覆いかける瞼に促されるように身を委ねた。


亡霊/

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