飛び込む柔色



瞼を開けるとそこは 一面暖かな色に覆われてました


その中心に覗くくりくり大きなグリーン
豊かな赤色のように緩く染まる肌
形の良い唇は真一文字に結ばれて…



…って、はぁ?





「……あの、すみませんどちら様でしょうか」


いきなり喋りだした俺に驚いたのか、綺麗なグリーンが更に広がった
いや、驚くのは俺のほうだからね


「っ、ああごめんなさいっ」


………


「答えになってませんよお嬢さん」

「っ〜〜」



ガバリと、それはもう盛大に体をのけ反らせてどいてくれた

この娘見たことある。というより、知っている。この学校じゃ有名だったよな



「君、リリー・エヴァンスでしょ?目覚めていきなり君みたいな娘が目の前にいるのは嬉しいけどさ、これからは止めてね」

「えっ、あっ、名前、」

「いやお嬢さん美人で有名だからそれくらい知ってるよ」



顔、真っ赤だ
そんな顔もやっぱり可愛いけど、変な娘だったなんてね


「…で、なに?俺に用でもあったの?それとも俺に気づかず躓いちゃった?」


こんなとこで寝てた俺も悪いけど。ごめんね




「あの、その、…どんな瞳の色なんだろうって考えたら体が勝手に…」














「……………あー、ごめんね授業だから行くよ」




素早く立ち上がり踵を返す。だめだ本格的に変な娘だいますぐ逃げよういくら美人だからってオイ





背中に感じる視線はなるべく考えないようにして俺は足速に立ち去った




(…すごい娘だったな)



これがまあ何と言うか始まりである









20101019




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