※流血表現あり







池袋ではよく見かける光景。大抵の人は逃げ出すであろう光景に私は立ち会っていた。いや立ち会う、というよりもその中心にいるのだが



この池袋では他の街では見られないような不思議なことがよく起こる。闇夜を音も無く駆け抜ける鉄の馬や、宙を舞う自動販売機








目の前に繰り広げられる見事な逃走劇は今日も私を魅力する



絶対に敵にしたらいけないニンゲンが2人もこの街にはいて、その2人が敵同士だなんてなんて面白いのだろう




私は退屈がキライだ。平々凡々な日常を打破するためにする努力もキライだが、今ここで一歩踏み出せば曇った排気ガス臭いこの小汚い日常から脱却出来ると思うと噫、興奮する



そう、文字通り一本踏み出せば


反射的に、いや、熱に浮されたような感覚のなかいつの間にか踏み出していた脚に意図的に体重をかけた



ガツン



鈍い音が頭をカチ割る

噫、ゾクゾクする
ハァ、凄くキモチガイイ


どうしようもない震えに浸る為薄く閉じていた瞼を上げると視界が真っ赤に染まっていて、自分が額から血を流し、温い液体が眼球を侵食していることを理解した





外野が五月蝿い
非日常は私の聴覚までもは壊してくれなかったようだ



赤く不透明な視界の中見えるは全身闇色の意地汚い笑みと自らの力に脅え慌てるくすんだ金色


駆け寄り意味のない怒号の中人形のように動かない私を揺さ振る金色を毟るように掴み私は謂うのだ







有難う、これから宜しくね











20100510

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