※人狼ネタ、グロテスク表現
何時だったか僕の隣で眠る彼女を見て、このまま一生目覚めなければいいのに、と思ったことがあった。なぜなら彼女は起きているときは一体何を考えて行動しているのか解らないし、すぐ手も出すし、そんな彼女と好き好んで一緒にいる自分になんのメリットがあるのか我ながら理解出来ていなかったからだ。
そんな彼女も寝息を立て、すぅすぅと胸を上下させている時は普通に見えるのに。むしろこんなことを思うのはあれだけど、普通より大分よく出来た顔立ちをしているから。
だから眠っていた方がいいんじゃないかって苦笑しながら思っていたのに
ぐにゅり、足で白く柔らかいはずの頬を突いてみる。革の靴を履いているから柔らかさは伝わって来ないけれど、その甘く美味しい肉の内側に隠れている骨の感触は伝わって来た
ゴリゴリと動く頭部
濁った目
口からは汚らしい唾液
な ん だ こ れ は
確かに眠っていた方がいいと思っていたけれども違う。こんなの違う
でも、誰がやったって、僕がやったんだ。一時の誘惑に惑わされて。いくら言い訳したって仕切れない
僕は彼女を殺したかった
文字通り、喰らいたかった
二度と彼女は手に入らない。
けれども、後悔もしていない
むしろ満足しているのかもしれない
嗚呼、こんなことを考えるなんてやっぱり僕も人狼なんだね。彼女を襲ってしまった経緯は朦朧として覚えていないけれども、今でも奥歯を噛み締めるとブワリと蘇るあの肉の感触、口内に充満する匂い、満たされる液体、覚えているよ。鳥肌が立つ。
でも僕はこの素晴らしい体験の分と同じだけのものを失ったんだね
では、そろそろお暇いたしましょうか
この嗤いが収まったら僕もそちらにいくとするよ
狂喜の沙汰
2009110820101121修正