※捏造注意、死ネタ?







きらきらきらきら


目の前に拡がる溢れんばかりの光の粒。なんて綺麗なのだろう、こんなにも美しいものは生まれて初めて見た。何色と言えばいいのかわからない初めて見る色の光の粒が自分からどんどん出てきている。私から産まれるその光を見て、何故だか自然と頬に涙が伝った。

さっきまで痛くて辛くて苦しくて悲しくて、何より憎くて憎くて、でもどうしようもない思いがぐちゃぐちゃと私を潰していたのに、ふわふわとふつふつとぽろぽろと生まれるコレを見た瞬間そんなことなど忘れてしまったように思えた。頭に浮かぶのは、ただ、綺麗

嗚呼、こんな汚い私からも美しいものが、

この気持ちをなんて現せばいいのだろう。手から生まれる光の向こうをふと見ると、私と同じようにきらきら光る人。私の一番大切な人
緑の髪からも白い四肢からも同じ光が溢れている。私とおんなじ色の光。私達は、レプリカだから。醜いにんげんには出せない色。上気してゆくそれは空に還ってゆく。私も彼も同じ場所に還るのだ


「シンク泣いてるの?」

「泣いてるのは君でしょ」

「でもシンク」

「どうしたらこれが涙に見えるのさ」


瞳から溢れ出る音素
さ迷うように揺れながら昇っていくそれは、私達の喜びが形を成してるようにも見えた



「ねぇ、」

「なぁに」


いつもの鋭く突き刺す視線は穏やかで、初めて見るその暖かさに涙が零れる


「きれいだ、」

「うん」

「こんなにきれいなものがあったんだ」

「うん」

「腐ってるこの世界も、僕たちも、こんなふうに、」

「うん、」



彼の初めて見る穏やかな微笑みと頬を伝う一筋の雫。
彼の見る最後の世界が醜悪な大地でなく私であることに涙が溢れる



先程まで痛んでいた腹も、今はもう儚げに散っている
嗚呼、なんて素晴らしいのだろう。愛する者と一生を終え、そして一つになることができるなんて。お互いもう二度と離れることも、迷うこともないのだ



あぁそうか、これが













20110418
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