拍手ありがとうございます。以外お礼文となりますので読む方はスクロールお願いします。今回は親分とちびロマです。お返事はreにて







夜の帳も落ち、都会から離れているおかげで空には真っ黒く大きな布に宝石を塗したような輝きが散りばめられた真夜中。柔らかで暖かな風がカーテンを揺らし人々を微睡みの中に誘い始めた頃。




「見て、あんなに怒ってたのにトーニョのベッドで寝ちゃってるよ」
「ほんまロヴィは…。俺らの甘ぁい夜の邪魔をしぃなや」
「ちょっと、もう」

唇を態とらしく尖らせながらもそのマスカット色の瞳は慈愛に満ちている。ちょこんとシーツの上にまるまっている天使を起こさないようにそっと抱き上げた。


「全然起きないね」
「ぐっすり眠っとるわぁ」


普段この天使に手を焼かせられているとは思えないくらい緩みきった頬を隠すこともなく小さく呟いた。アントーニョとロヴィと私。この明かり一つもない部屋、窓から差し込むほの明るい光の中でたった三人だけ居られれば私たちは満足なのだ。


「ねぇ、ロヴィ部屋に寝かせるの?」
「んー、」
「ちょっと狭くなるけど今日は三人で寝ようよ」
「はは、今俺も同じこと言おうと思っとったわ」


眠りを妨げないように二人で小さく顔を合わせながら笑った。幸せだなぁ。時折聞こえてくる動物たちの鳴き声や草木のざわめき。海の向こうや山の向こうからの血生臭い喧騒とはかけ離れたこのちいさな世界にずっと居られたならいいのに。


「おやすみトーニョ」
「ロヴィもおやすみ」


この静かで平和な時の終焉が訪れませんように。目を閉じて、天使の両手を包んで毎夜毎夜願うのだ。










20120815




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