嫁ぎ先が決まった。
 先週両親から届いたお文にそう書いてあった。城下にある酒屋の次男坊が、休暇中に里帰りをして実家に戻っていた私に目を留めていてくださり輿入れを申し出てくださったのだそうだ。お店はそんなに大きくはないらしいけれど、私でも噂は耳に挟んだことはあるくらい人当りがいいと評判の御主人で、金貸しとしても羽振りがいいらしい。

 そこの息子に惚れられるだなんて、しがない刀鍛冶の子のアンタにはもったいないような話だよ。孝行な娘でお父さんもお母さんも嬉しい限りです。早い返事を待っています。

 という言葉で締めくくられたそれを読んでも私はため息しか浮かばなかった。くのいち教室のみんなは「そんなとこの息子さんだなんてアンタこんな幸せなことはないわよ」「しかも次男坊だなんて」「あとはお顔だけじゃあないの」なんて巫山戯てきゃらきゃら笑っていたが、その時私は自然に笑えていただろうか。


 くのいちになるために、どんなにつらいことも耐えてきた。忍たまのような戦場任務だってこなしてきたし、くのたまにしかないような、それこそ色の実習だってもちろんあった。最初は行儀見習いとして入学したけれど、そのうちくのいちに憧れて、上級生まで上がってしまうくらいにはなっていたのに。




―――――――――――
この先考えるのが面倒臭くなったのでお蔵入り。
でも私のどケチ精神が働くのでストックとして投下。
なんかで使う、かも


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -