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周りに誰もいないのを何回も確認しながら、私は鞄の中から先ほど購買で買った牛乳を取り出した。
「ほら、おいで」
牛乳を皿に入れて差し出すと茂みを掻き分けながら、その野良猫は現れた。たまたま通りがかったときに見つけたこの子は、元は飼い猫だったのか、人を見ても怯えない。見つけた時も、警戒して逃げるかと思えば、擦り寄ってきて、挙げ句の果てには私に懐いてしまった。まんまと猫の策にのっかってしまい、今に至るというわけです。
「…確か、学校内での動物の飼育は禁止だったはずだが」
ひみつ/柳さん
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