「お疲れ様っした、みょうじ先輩!」
「はい、お疲れ様。気をつけてね」
「はい!!」

走り去る後輩達を笑顔で見送ってから、あたしはマネージャーの仕事に取りかかった。





「みょうじ」
「え?」

自分を呼ぶ声に顔を上げる。…あ…

「越前か。お疲れ様」
「あんたもね。…それ、まだ終わらないの?」

指されたのは一冊のノート。部活の日誌だ。

「…あとちょっと、かな。先に帰ってていいよ」
「こんな暗い中、あんた一人残して帰れないでしょ」
「暗い? あ…」

無言で外を指す越前は、気づいてなかったわけ? なんて呆れた顔をしている。

「しょうがないじゃない。…日暮れも早くなったね…」
「口より手、動かしてよね」
「はいはい」

ノートにシャーペンを走らせる。暫くは紙をこする音が、部室の中を支配した。…が。


「……越前さん」
「何」
「どうしていきなり抱きしめるのか、その理由をお伺いしたいのですが」

しかも彼は子供体温だから温かい。…離れたくないとか、思ってしまう。

「何となくだけど」
「ではこの腕をお放しいただけないでしょうか。ノートが書けません」
「…あんたって生真面目だよね…」

そこが面白いんだけど。笑う彼が憎らしくて、離れてこうとする体をとりあえず抱きしめ返してやった。





夕闇に溶けた二人の影。


それはやがて、一つに重なって。





〈挨拶〉

短っ。
何だろう…青学オンリーになる気が←
私にしては珍しいリョーマ甘夢?でした。
シリアス全開の前に、まずはワンクッション。
私の二つ目!





2010.10.11


*園より

沙ちゃんで、「二人の影」 リョーマさんでした*
ひゃーなんて素敵リョーマさん..!
やっぱり沙ちゃんといえば、リョーマですよね*笑
素敵雰囲気の二人に、ニヤニヤが止まりません。
コンパクトにこんなに素敵にまとまっていて、さすがです..!