「もうやだもうやだもうやだ」
今日は散々だった。
寝坊するし。寝癖は酷いし。遅刻すると思って急いで学校行ったら講義は休講だし。お昼食べて帰ろうと思ったら食堂いっぱいだし。バイトではクレームの電話来るし。帰り道は酔っ払いから絡まれるし。
私が何をしたっていうんですかあんまりです神様。もう今日は(といっても残り少ないけど)何もしない方が良いに違いない。バイトも無いし家に帰ったらさっさとお風呂入って寝よう。そしてすべてを忘れてしまおう。明日は休みだし大人しく引きこもっていよう。掃除してごろごろして。よしよしなんだか元気出てきたぞ今日のことは忘れよう忘れよう。
明日への希望を胸にマンションの階段を急いで上り(エレベーターもあるけどなんとなく嫌な予感がしてやめた)、自分の部屋の前へと足を進めたところだった。何か違和感に気づいて足が止まる。…あれ…あれあれあれ何かある。
「え」
どうやら神様はまだ私に意地悪をし足りないらしい。
「だ、誰」
視線の先には背中をドアにあずけるようにして倒れている、人。
それもそれ、私の、私の部屋のドアではないでしょうか。
(どうしてこうなった)