「?マスクなんかして風邪でも引いたんですか」

「違う…ちょっとあんまり近づかないで」

「……」

「ごめん違うごめん違うからそういうのじゃないから」

「花粉ですか」

「分かってるなら傷ついたフリやめて疲れるから!!」

「すみませんなんとなく」

「気分で私のHP削ら、な…っくしゅ!……ぬ゛う゛ー」

「…くしゃみで止めていれば見直したのに…何ですか妖怪ですか貴女は」

「せめておっさんにして。仕方ないじゃんもうつらくて私の女子力ではカバーしきれないんです」

「貴女に女子力は存在しないと思いますが同情はしますよ」

「女子力の無さになの花粉症になの…はーもう…トキヤ冷たいし涙も出るしつらい…」

「ではそろそろ行きましょうか」

「えっぎゃあああ容赦ない外への放り出し!!やだやだやだドア閉めないで!帰して!!私を家に帰して!!」

「バカを言うんじゃありませんよ!仕事なんだから諦めなさい!」

「しご……!」

「ほら行きますよ、外の車で音也が待っています」

「………何で…何で山でロケするの?何で敵地に乗り込むの?ばかなの?っていうか音也と!トキヤの!仕事なのに!何で私!?」

「…曲はもう出来上がって来ていますから」

「…来ていますから?」

「空いた時間で私が曲を聴くので細かいところを調整しましょう」

「……」

「……」

「…っ電話で!!済むし!!電話で!!済む!!!」

「っこ、こら暴れないでください!」

「暴れるわ!花粉症患者ナメんな!!」

「落ち着きなさい、落ち着いて深呼吸しなさい」

「花粉吸引させてどうしようっていうんだ狙いは体力の消耗か!」

「こういう時は頭の回転がはやいんですから…!仕方ありませんね」

「!!!」







(やだやだおろして!おろしてっぐしゅっ)
(鼻水つけたら引っ叩きますよ)
(理不尽!!)

(トキヤが米俵のように名前かついで向かってくる…)



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