私は太陽と共に起きて太陽と共に眠りに付きたい。そう、太陽が好きだ、愛している。一緒にいれるうちは一緒にいたい。だというのにその仲を引き裂こうとする奴がいる。「……」目の前にいるこの人、じゃないこの吸血鬼だ。
「DIOは一人で寝れないの」
「ばかを言うな寝れる」
「じゃあ一人で寝てくれないかな」
「断る」
「毎日毎日大きな男に抱き枕にされる私の身にもなってほしい」
「貴様がちょうどいいところにいるからだろう」
「へぇ」
とても棒読みなへぇになってしまったが致し方ないと思う。何故なら私は毎朝DIOから逃げようと命がけのかくれんぼをしているからだ。何がちょうどいいところだ毎回探して回るくせに。
「このDIOに抱かれて眠りに付けるのだ光栄に思え」
「そういうやつのことをなるしすととよびます」
「ふん」
「私そろそろ太陽の下に出ないと腐りそう…」
「知らんな」
酷すぎる。
「腐ったら俺が喰ってやる」
「…腐ったもの食べたらお腹壊すよ」
「そんなヤワに見えるかこのDIOが」
「お腹壊したDIO少し見てみたい…あ、でも私その時お腹の中か」
「…そうなるな」
「何のメリットもないわ…腐らないようにしよう…」
「精々頑張るがいい」
ぐり、と首元に歯を立てられて言われてしまったら本当に頑張るしか未来はないようだ。腐る前に食べられる恐怖さえ感じてしまう…やめろやとべしべしDIOの背中をたたけばすんなりと歯は退けられたが、代わりにそこをぺろりと舐められた。「…枕舐めないで」「よく喋る枕だ」このやろう。
「……」
「何だ誘っているのか」
「違います噛み返しただけです」
かぷりとDIOの首筋に噛み付いてみたけれどあまり効果はないようだ。別の意味で効果はあるみたいなのでもう一生やらない。(にやにやするな!)
「おやすみ」
もう何も言うなよという意味を込めてDIOの胸に顔を押し付けて目を瞑る。DIOは何が可笑しいのかくつくつと喉で笑いながら私の髪へと顔を埋め、どうやら大人しく寝てくれるらしいよかった本当に。
さらに密着したことで互いの体温がじわりじわりと伝わり合っていく。なんだかんだでこのぬくもりに安心してしまう私は、きっと明日も太陽は拝めないのだろう。
(ねぇ、DIOが腐ったら私が食べてあげるから安心して腐ってね)
(断る)
(断られた)