ズボリ
綺麗にカールされた前髪の中心に私の人差し指が深々と突き刺さる。
「…」
「…」
「何か」
「いや…この穴どうなってるのかなって」
ちょっと気になって、指を突っ込んでみたくなったの。何もなかったねと笑ってみれば深いため息が返って来た。
「口で言えば分かります。いきなり行動から始めないでください」
「はいはい、ごめんなさー…?」
ジョルノによってするりと私の指は穴から抜け出され、そのままこちらへ返されるかと思えばどういうわけか柔らかな唇へと誘われた。クエスチョンマークを浮かべながらそこを見つめているとらちらりと見えた真っ赤な舌が輪郭を確かめるように指先を這う。ぞわりぞわり。
「…な、何か」
「…いえ、この悪戯ばかりする指先はどんな味がするのかなと」
ちょっと気になって、舐めてみたんです。とても甘いですね。にこりと笑うジョルノに私はただ顔を真っ赤にさせることしかできなかった。やられた。やはりこの男に悪戯などするものではない。