※ちょっぴり現パロ風味




「私金髪より黒髪派なんだけどなぁ」



特に予定もなく人の家のベッドに寝転がるそんな日曜日。ぽつりと零した言葉にぴくりと眉を動かしたのはこの部屋の主であり、私の視線の先で本を読んでいる、キラキラと輝く黄金色の髪を持つ男だ。自身を否定されたようなものであるにも関わらず男の目線は変わらず文字に向けられたまま白くて長い指でページを緩やかに捲った。



「ガタイの良い人苦手だし」


ぽつりぽつりと続く私の独り言。


それに上から目線の人も嫌だなー。

表裏ある人も嫌だし、

すぐ怒る人もすっごく嫌。

強引な人も嫌。

あとは笑顔が爽やかじゃない人も嫌。

あとはあとは。



「………至近距離で睨んでくる人も嫌です」

「それは貴様のせいだ」


なるほど私のせいなら仕方ないがいくらなんでも近すぎじゃあないだろうか。貴方の高い鼻が私の普通の鼻とごっつんこしそうではないか。男の重みでぎしりとベッドのスプリングが音を立てる。本はどうしたんだ本は。「それで?」それで?



「嫌いな奴はもう聞いた、それで?」

「……」

「好きな奴はどんな奴なんだ?」

「……」



口元にやつかせる人も嫌だなぁ。



「…ディオ」


なんとも自分自身理解し難い現実だ。不服そうに口を尖らせれば目の前の私にとって嫌いな塊であるはずの男は満足そうにふんと鼻をならして私の唇に噛み付いた。痛いことする奴も大嫌いなんだよばかやろう。愛してる。



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