「はい寿弁当とれいちゃんお待ち!!」

「…寿弁当頼むとれいちゃんもついてくるの」



ちょうどお店にお客さんがいなかったので、スムーズに買えるやったー!と思い、お弁当一つ注文したらバイトの人と入れ替わって出てきたのはお弁当の袋提げたれいちゃんだった。何だこのお手軽アイドル。



「何言ってるの特別だよ!もー!赤字覚悟の大サービスだよー!」

「アイドルのくせに堂々と出てきちゃダメでしょ!」

「名前のアイドルだからいーの!なんちゃって!あは!」

「…」

「久しぶりに会う恋人にその冷たい目…厳しい!厳しいよ名前ちゃん!お兄さんは悲しいなぁ!」

「テレビでは結構頻繁に見るから久しぶりって感覚ないし」

「…」

「?どうしたの?」

「…そっか…」

「…な、何その生暖かい目…もういいからはやくお弁当をくれませんか…」

「大丈夫!今日はこれから朝までずーっと一緒だよ…!」

「何が大丈夫なの…!何の話してるの…!」

「ボクを思って毎晩枕を濡らしていたんでしょ?」

「枕はおやすみからおはようまでからっからに乾いてます」

「まぁまぁいいからいいから。れいちゃんちゃぁーんと分かってるから」

「…」

「お弁当冷めないうちにさっさと帰ろうーゴーゴゴー!」

「ちょ、えっ、れいちゃんどこいくの!」

「一緒に食べたらもーっと美味しいんだよね〜」

「…」


れいちゃんの手元の袋の中のお弁当。二つある。


「…」

「今日のから揚げはれいちゃんの手作りだぞぉ」

「…れいちゃん尽くしだ」

「ふふふそれだけじゃないのだ!なんと食後のデザートもれいちゃんだぜぃ!たーんと召・し・上・が・れ!うふ!」

「よーく噛んで飲み込むね!」

「何それ怖い!」






(優しく…食べてね…)
(れいちゃんきもい)
(きもいゆーな!!)



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