「…」
「え、な、何、ですか」
「…」
「ちょ、そんな怖い顔で睨まないで下さい…」
「誰ですか」
「は?誰って名前ですけど!」
「誰につけられたんですか」
「…え、じりじり近づいてこないでこわい…何かついてる?ごみ?」
「ごみはいつもでしょう違いますとぼけないでください」
「いつもついてたの!?取ってよ!今知りたくなかったよそんな情報!!」
「そんなことはどうでもいいです」
「どうでもよくなこわいこわいこわいこわい誰か!誰か!一ノ瀬さんがご乱心ですよ!!」
「名前」
「はいごめんなさいいい!(近い近い近い近い)」
「首…」
「く、首?」
「首に」
「首…」
「…痕」
「え、痕?……………ああー…もしかしてここらへんのやつ?」
「はい。そうです」
「だ、だから顔怖いってば…!ここでしょ?痕になってるかぁ…朝火傷しちゃってさ…」
「は?」
「寝ぼけてアイロンあててたらじゅってやっちゃって…そっか赤くなっちゃってるかぁ…え、何心配してくれてたの?大丈夫だよ誰かに煙草押し付けられたとかそんなんじゃないから」
「…」
「…あの、近いままそんな睨みつけられても怖くて泣きそうなんでやめてください」
「まっぎらわしいことを…貴女は馬鹿をどこまで極めるつもりなんですか…?」
「はい…すみません馬鹿ですすみません…寝ぼけててすみません…」
「許しません」
「許してくれなかった」
「…」
「え?ちょ、トトトトキ…っ」
「…まだ痛むんですか?」
「いや、え、いいい今舐め…!!!痛みはとっくにひいてるけど!何してんの!?」
「そうですか」
「?だ、だから舐めなっ痛…!」
「…………今回はこれくらいで許してあげます」
「…ち、ちくってしたちくってした何したの噛んだの?」
「いえ?」
「何とぼけた声出してるのちょっと鏡鏡鏡見せて」
「自分のを見ればいいでしょう。はやく教室に行かないと遅刻しますよ」
「トキヤが遅刻しろ!…うわ…なんかさらに赤くなってるっていうかこれ鬱血してない?」
「そうですか?」
「っていうかこれじゃ…」
「これじゃ?」
「…」
「どうしました?」
「…にやにやすんな変態」