「トキヤが好き、嫌い、好き、嫌い」

「…何の儀式ですか」

「儀式じゃないよ!花占いだよ!花じゃなくて雑草抜いてるんだけどね!」

「ああ…草毟りながらぶつぶつと何か言っていたのでついに頭がどうかしたのかと思いました」

「失礼だな!リューヤさんが雑草抜いておけっていうから…」

「また何かやったんですか?」

「…音也とサッカーやってたら私の足がうなりすぎて」

「…日向さんに当てたんですか…」

「蹴り返されて音也の顔面にめりこみました」

「…」

「リューヤさんがちょうどいいところで角から出てきてねー危ないって言う暇すらなかったのに素晴らしい反射神経だった…でも反射的に蹴ったボールすら人の顔面にいれちゃうあたりケン王だよね」

「今回ばかりは音也に同情しますよ」

「ちょっと蹴り飛ばしちゃっただけでこんな裏庭で一人雑草抜いてる私にも同情してよ…音也は気失っちゃうしケン王は急いで音也担いで行っちゃったし一人寂しい」

「(日向さんも焦ってこんな適当な罰を)」

「だからこうやって花占いならぬ雑草占いをやってたんだけど終わりがみえなくて…このだだっ広い裏庭どこまで抜けばいいの…」

「…日向さんが戻ってくるまででしょうか…(忘れてそうな気はしますが)」

「うー…好き…嫌い…好き…」

「…そういえばさっき私の名前が聞こえましたが」

「うん私がトキヤを好きか嫌いかって」

「…貴女が?逆ではないのですか」

「え?」

「貴女がやるのなら私が貴女のことを好きか嫌いかを占うものでしょう」

「そうだけどだって嫌いって結果になったら悲しいじゃん…!」

「悲しいんですか?」

「悲しいよ」

「そう…ですか…」

「私がトキヤを〜だったら嫌いな結果になっても傷付かない!」

「貴女はね!」

「うん!」

「私は!」

「え、あ、そうか…え、トキヤって傷つくの」

「…」

「(目付き悪!)ごめんなさいトキヤの前では二度とやりません」

「私の前以外でも二度とやらないでください」

「えぇ…」

「何ですかその不満そうな顔は」

「どっちの結果でも私はトキヤのこと好きだからいいじゃない」

「は」









(あーもう手疲れてきた…)
(あの…)
(トキヤも手伝ってよー)
(…)
(さっきから黙ってどうしたの)
(何でもありませんよ!)
(何で怒るの…!)



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