しばらくぐるぐるとしていたけど現実を見つめて近づいてみる。

どうやらこのちっちゃいのははやとくんといって、私に幸せを運びに来たらしい。



「どこから来たの?」

「ふふ、それは秘密だにゃ!」

「…」



住み込みでとか言ってるくせに身元明かさないとは何事なんだこのちっちゃいのは!
でもこんなちっちゃいんだからどこか遠く私の知らないところから来たんだろう。
どこかちっちゃい…えーと…妖精とかが住んでるようなところから。なんというファンタジー。



「…妖精…的な?」

「うーん…この姿だとそう見える?妖精かぁ…うん、妖精!」

「なにそれ怪しい!アウト!」

「怪しくないよ!セーフフェアリーだよ!」

「フェアリー何でうちに来たの!」

「君に幸せを運びに!」



そういう意味じゃないよ!突っ込んでやりたかったけどにこにこ人懐っこい笑顔をむけられてはどうにもうまく言えない。キラキラしたふざけた衣装のようなものを着ているけど妖精って皆こんな感じなのかなぁ。もっとこう夢の国っぽい感じじゃないの?偏見?



「君の名前はなぁに?」

「私?……………苗字名前」

「よろしくね!名前ちゃん!」

「えっ」

「えっ?」



思わずあげた声にはやと君まで間の抜けた声を出した。
びっくりしたなにこれよろしく確定なの?住み込みの幸せ宅急便?この展開は私のキャパオーバーだよ!こんなちっちゃい人見たことない!



「…だめ…?」

「えっうっあ駄目じゃない!」

「!」

「!」


ぎゃあああ泣きそうな顔をされて思わず許してしまった!ばか!ばかか私!はやく断「ありがとう…名前ちゃん優しいにゃぁ」かわいいからいいかとか思ってしまった私爆発しろ…!



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