スキンシップじゃなくてセクハラです 3/3
「ぎゃははははーーーーッ!!!ブチャラティ、相変わらずだなァ!」
「笑い事じゃあないわよ!」
腹を抱えてヒーヒー笑うナランチャ。
「いつもいつもあきねぇなぁ。おめぇらは。」
そう言ってミスタは、銃の手入れを始めた。
私達はこのネアポリスを仕切るギャング、パッショーネの一員である。
ブチャラティは、アバッキオ、ミスタ、ナランチャ、フーゴ、そしてゆきを率いて下部チームのリーダーをしている。
冷静沈着、頭脳明晰で部下思い。そして、ギャングらしく冷酷な一面ももっており、どんな困難も乗り越えてしまう強さもある。
さらに温厚で責任感の強い人柄は、ネアポリスの人々からも気さくに挨拶をされたり、相談をされるなど、人望もとても厚い。
そして、このルックスとスタイルである。
ネアポリスの女達はみんなブチャラティにメロメロになってしまうのである。
が、しかし。
本当のところはストーカーまがいの変態野郎なのであった。
「ツンツンしているゆきもなんて可愛らしいんだ。やはり常日頃見ていても、毎日毎日いろんなゆきを見ることが出来る。なんて幸せなんだろうな。」
悩めかしく目を細めて近づいてくるブチャラティは、とても色男であり、ついゆきも見つめてしまう。
そのままブチャラティはゆきの肩を抱く。
「そしてこうして、ゆきにスキンシップ出来ることがオレの何よりの幸福だぜ。」
「…ブ、ブチャラティ。」
いくら変態といえども、顔だけは端麗なのだ。
ドキッと胸が高鳴る。
「ゆき、本当に可愛い。どうしてそんなに可愛いんだ。ゆき俺はいつもおかしくさせる…。」
だんだん、ブチャラティの肩にある手は体に沿って下っていき…ーーーーーームニッ。
「ブ、ブチャラティさん…???一体、どこを触って…おられるんですかね…???」
「どこって、そりゃあ…。野暮な事を聞くなよ。ゆきの美しく、それでいて形も素晴らしいお」
「い、言わんでいいっっっ!!!!!」
ゆきはグーパンチをブチャラティに当てる。
「ぐふぅ!!!ゆき!!こ、これはやましい心なんかじゃあない!!!立派なスキンシップなんだ!!」
ゆきの渾身の一撃をくらったブチャラティは床に倒れながら、噛み締めるように言った。
「な、何がスキンシップよ!!!!!!これじゃあまるで…!!!!!!」
ゆきはビシッと倒れるブチャラティへと指をさす。
「ただの、セクハラじゃあないの!!!!!!」
ブチャラティのゆきへの執着と、並々ならぬ熱い想いに、ゆきは恐怖で身体を震わせるのであった。
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ミスタ「あーあー、またやってるよあいつら。」
フーゴ「普通にしていれば、お似合いのふたりなんですけどねぇ…。」
アバッキオ「俺にはどうでもいいがな。」
ナランチャ「ブチャラティはゆきの事になると人が変わっちまうんだよなァ…。」
そうしていつも通りに起きるやり取りを見つめる4人なのであった。
スキンシップじゃなくてセクハラです
一瞬のドキッとを返せ!
お題:確かに恋だった様
変態に恋されてしまいました5題より。
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